Plum and Snow [作詞:瑞慶覧昌綱 作曲:鶴見幸代] ---------- 詩に寄せて 梅でさえも、雪にうずもれてつらい冬を耐えた後に、匂いを増して花を咲かせます。そんな世の中です。人も困難を乗り越えてこそ、美しい花を咲かせることができるのです、という意味の琉歌(沖縄に伝わる定形詩)。梅に雪という情景描写を通して歌われた先人の教えです。沖縄には雪が降らないため、どのような経緯でこの歌がつくられたのかを想像するのも楽しいですね。春先の日本本土に来たとき、こんな寒い経験は初めてだけど、梅に積もる雪のなんと美しく、咲いた花はなんとこうばしいことだろうか、と思いをはせたのでしょうか。苦労しなけりゃ報われない、といった教訓としてだけでなく、こうした情景をめでる心のゆとりも忘れてはなりません。
鶴見幸代
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