1. 春風(2’00”) ---------- 2021年10月、合唱団 ぬっく委嘱初演作品。 既刊の「笑いのコーラス」に収録されているピアノ伴奏付き混声四部合唱の「春風」の無伴奏混声合唱版。 春を待ちわびる喜びや、風や鳥の気配を感じて歌っていただきたい作品。 グレード:中級 演奏時間:約2分 <まえがき> 女声合唱曲集『笑いのコーラス』(カワイ出版刊) 所収のア・カペラ女声三部版をオリジナルとする、この「春風」。某年、某所にコンクール自由曲として書いたのが最初です。ところが、このとき同じ目的のためにやはりア・カペラで書いた「百八歳まで」という曲と2つ、その後も似たような時期に、ピアノ伴奏が付いた混声版だの女声版だのと てんでに増殖していき、何がどうだったかアタマが混乱……していたところ、最近になって思いがけず、この「春風」ア・カペラ混声版をオーダーしてくださる若いオトナ合唱団さんが現れたのでした。これでようやくこの曲も “女声と混声” “ア・カペラとピアノ伴奏付き”のそれぞれが揃ったことになり、作曲者としては何だかスッキリ! しかし。楽譜をお使いくださる皆様には混乱やご不便をおかけいたしますことと申し訳なく思っております。伴奏の有る無しによる差違をはじめとして、宛てて書いた合唱団さんのご様子や用途、また書かれた時期を反映する楽譜上の多くの情報が、全ての版でいろいろに異なっているからです。このア・カペラ混声版は、他版をほぼ気にすることなく編曲したものですが、美しい歌声は もうそれだけで音楽だ!と信じて書くことがようやくできるようになってきた、かも知れない気がしています。同じ混声でも、混声合唱曲集『笑いのコーラス』(カワイ出版刊)所収のピアノ伴奏付き版と見比べると、コーラスパートの景色の違いに我ながら驚きます。驚きつつ眺めていて、ふと思うのでした。さらにシンプルな編成にピアノ伴奏が付いた、もっと楽ちんにさらっと歌える「春風」ならば。だって春風だもの。(横山潤子)
横山潤子
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