1.幻灯(2’50”) 2.打出の小槌(1’30”) 3.空と海 (2’30”) 4.かりゅうど(4’00”) 5.見えないもの(3’30”) ---------- 合唱団おとのめ(福岡)により2024年2月23日委嘱初演。金子みすゞの詩を繊細な音で綴った曲集。美しく透きとおったハーモニーが魅力である。 コロナ以後の合唱団やそこに所属する部員の減少により、混声3部合唱作品の需要が増えてきた。 また混声3部は学校のクラス合唱や部活でも取り上げやすい編成である。全5曲。 グレード:中級 演奏時間:約14分20秒 <まえがき> 本作は、2007?2012年にかけて作曲した無伴奏女声合唱曲集が元になっています。詩は童謡詩人の金子みすゞの作品から5篇を取り、様々な表情が見られる曲集です。原曲の女声版はdivisiを極力減らした女声三部合唱で、人数の多少を問わず歌えることから、これまで広く演奏されてきました。 通常は4パートで編成される混声合唱ですが、今回の混声版は女声2パート+男声1パートの混声三部合唱によって書かれています。これは、新型コロナによる合唱人口の減少や小編成アンサンブルの増加による「少人数でも歌える混声合唱曲」の需要の高まりがあることに端を発しています。ピアノ付きの混声三部合唱はそこまで珍しくありませんが、無伴奏の混声三部合唱はあまり数がありません。中学・高校の合唱現場でも男子生徒の数が少なく、裏声を駆使して女声パートに組み込んで女声合唱をしたり、男声パートが一人ずつしか居ない混声四部合唱をしたり…と、ここ数年は特に、苦肉の策が多く見受けられました。作曲家として、私に何かできることはないか…と考えているうちに、『見えないもの』の混声三部版の制作を思い付いたのです。 混声三部合唱は開離和音が多く、ハーモニーを安定させるのが難しいため、一部でdivisiを使用しました。詳細は下記を参照いただき、中高生から大学・社会人の合唱団まで、幅広く演奏を楽しんでいただければ幸いです。 混声版初演に際しては、指揮者の今釜 亮さんと“合唱団おとのめ”の皆さんに大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。(北川 昇)
北川昇
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