Samann (8’00”) ---------- 2023年5月、CANTUS ANIMAE(指揮=雨森文也)により混声版が初演された。 オリジナルの男声版はお江戸コラリアーずによる初演(2011年8月)。 表題はミレーの絵「Samann」(種蒔く)から採られている。テキストは、詩篇126番の詩句「涙をもって種蒔くものは、喜びの声とともに収穫するだろう」のドイツ語訳を使用。 曲は、「Trane(涙)」が重要なモチーフとなっており、その対として、「Freude(喜び)」印象的に歌われるが、暴力的なピアノの音塊によって断絶される。合唱は「種蒔く」ことが、生きる人間の意思であると歌いつづけられ、あらゆる感情と声がクラスターとして混じり合っている。 東日本大震災(3.11)後の作者の心の葛藤を正面から音にした衝撃作である。 グレード:上級 演奏時間:約8分
信長貴富
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