1. ユイユイ (5’10”) 2. 島人ぬ宝 (4’20”) 3. 童神〜ヤマトグチ〜 (3’40”) 4. 島唄 (4’50”) 5. 沖縄わらべうた・民謡メドレー (4’40”) (てぃんさぐぬ花〜花ぬ風車〜安里屋ユンタ〜唐船ドーイ) ---------- 2023年8月、フレーベル少年合唱団(指揮=野本立人)にて全曲初演。 心躍る魅力的な“沖縄のうた”を楽しく、美しい女声(童声)二部合唱にアレンジ! 大ヒットした沖縄発のJ-POPや踊りたくなるわらべうた・民謡のメドレーまで、こどもコーラスやおかあさんコーラスのイベントなど様々なステージで歌いたい編曲集である。 グレード:初級 演奏時間:約22分40秒 <まえがき> 「ユイユイ」といういい歌があるよ-----。 2016年にフレーベル少年合唱団から編曲委嘱を受けた際、合唱指導者で沖縄に造詣が深い野本立人先生からこの歌を勧められました。それまで沖縄の歌といえばいくつかの伝承歌や有名なヒット曲しか知らなかった私でしたが、この明るくて可愛らしい調子の歌は一聴してすぐに好きになりました。この「ユイユイ」もそうですが、沖縄の音楽には人々の生命力や優しい絆がいつも宿っているように感じられます。それは独自の歴史を歩んできた沖縄が育んできたもののひとつなのかもしれません。本曲集が、その魅力にほんの少しでも触れられる一冊となったら嬉しく思います。 ■ ユイユイ 1992年、フジテレビ系『ひらけ!ポンキッキ』で、ゆいゆいシスターズが歌いました。 ゆいは「結い、協働」、まーるは「順番」。つまり、ゆいまーるとは順番に助け合う心を意味する言葉となっています。特に意識しなくても楽しく歌えてしまいますが、意味を知るとまた面白いでしょう。掛け声は堂々と発してステージ全体を支配してしまいましょう。 ■ 島人ぬ宝 石垣島出身のバンド、BEGINが2002年に発表した曲です。 変わりゆく時代、変わりゆく風景。しかしその島に生きる人だけが知っている原風景が1番では「空」、2番では「海」、3番では「唄」を“宝”に例えて綴られていきます。ひとつひとつの言葉の重みを感じながら表現してみてください。 ■ 童神 〜ヤマトグチ〜 古謝美佐子さんがウチナーグチ(沖縄の言葉)で歌ったものが原曲で、その後にヤマトグチ(本土の言葉)による多くのカヴァー(夏川りみなど)が発表されていきました。 純白な幼子は神と同等であるという思いが歌全体に溢れ、心を揺さぶられます。「Aー」や「Uー」などのヴォカリーズは、そんな幼子を優しく温かく包み込むかのように歌ってみてください。 ■ 島唄 THE BOOMが沖縄での戦火に思いを馳せ1992年に発表した歌です。 全体に沖縄音階が使われていますが本譜の22〜27小節目では、本土で犠牲になられた人を象徴するようにあえて本土の音階に戻しているのだそうです。69小節目からラストまでは力強く歌い上げてください。 ■ 沖縄わらべうた・民謡メドレー てぃんさぐぬ花〜花ぬ風車〜安里屋ユンタ〜唐船ドーイ 本曲集のために書き下ろしたメドレーです。全体で1曲分ととらえ、よどみなく進んでください。子どもから大人まで、声種も問わずみんなで楽しんでほしいと願っています。 なお「安里屋ユンタ」の歌詞は、星克さんが現代調に書き直した“新安里屋ユンタ”を採用しています。
本曲集の出版に際し様々な知見をくださった野本立人先生、初演していただいた合唱団、指揮者、ピアニストの皆様に心から御礼申し上げます。(アベタカヒロ)
アベタカヒロ:編曲
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