ともだちシンフォニー (11’30”) ---------- 2020年、大分県竹田市の音楽ホール<グランツたけた>による委嘱作品。同市出身の童謡詩人、佐藤義美の《ともだちシンフォニー》に付曲。いろいろな世代が楽しむ合唱のお祭り「コロ・フェスタ」にて初演(指揮は作曲者)。常に世界のどこかで戦争は繰り広げられるているが、敵であっても「ともだちになろう」と語りかける平和への願いが熱くこめられた作品。混声でも同声でも演奏可能な二部合唱。単一楽曲。 グレード:初?中級 演奏時間:約11分30秒
<まえがき> 大分県竹田市出身の詩人、佐藤義美(1905〜1968)は、『いぬのおまわりさん』をはじめとする童謡の詩人として知られていますが、『ともだちシンフォニー』は子どもに向けられてしかしおそらく歌うことは想定しないで書かれた反戦詩です。この詩が書かれてから半世紀以上経っていますが、詩人の願いは現代の私たちにもまっすぐに向けられていると感じます。 合唱は混声でも同声でも可能な2部合唱で、ピアノは連弾(1台のピアノで可能)で管弦楽のようなシンフォニックな響きをねらっています。 合唱人集団「音楽樹」主催の「コロ・フェスタ」が2020年には竹田市で開催されることになり、メインコンサートの会場となる〈グランツたけた〉ではこの『ともだちシンフォニー』を合唱曲として歌おうと市民を対象とした「合唱塾」を立ち上げて準備がすすめられることになりました。新型コロナの流行によってこの年の「コロ・フェスタ」は延期されましたが、別に企画された機会に、九州で活動する声楽家や「音楽樹」の幹事を中心とする16名の混声合唱で初演することができ、2022年11月には延期されたコロ・フェスタでの演奏も予定されています。 当時グランツたけたで企画を担当し、この詩への作曲を薦めてくださった内野雅子さん、「合唱塾」での練習から楽譜の出版に至るまで奔走してくださった「音楽樹」のメンバーで合唱指揮者の菊村隆史さんに感謝します。(寺嶋陸也)
寺嶋陸也
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