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52208010 男声合唱組曲 「この道より」 楽譜 男声合唱組曲 「この道より」
[カワイ出版]

(在庫5冊)

2,090円

1. 序 (0’35”)
2. 進め、進め   (4’50”)
3. 雨の中の樹々 (2’30”)
4. 戸をたゝく音  (2’50”)
5. この道より (7’15”)
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2022年8月に札幌にて開催された「The Premiere vol.5」のために作曲された作品。
天衣無縫な文章で知られる武者小路実篤の詩による作品。閉塞感の蔓延する現代においても、そのポジティブな言葉には勇気づけられる。有名な「この道より我を生かす道なし この道を歩く」という序に始まり、「進め、進め」「この道より」という前向きで活発な曲の間に、内省的な「雨の中の樹々」、軽快な「戸をたゝく音」を配し、バランスよく仕上がった作品である。全5曲。
グレード:中級
演奏時間:約18分

<まえがき>
「この道より 我を生かす道なし この道を歩く。」 作曲という行為と、COVID-19の蔓延という“禍”とを経て、この短い詩は私自身にとって、とても重要な言葉になりました。
 この組曲は、4つの新作組曲の初演を行う演奏会「The Premiere vol.5」のために2020年に作曲したものです。組曲のテーマを探していた頃、初演団体であるどさんコラリアーズの指揮者・佐古宜道さんと「男声合唱は格好よく、美しい。でも格好つけずに魂で叫ぶような曲があってもいい」という話をしました。それをもとに、歌い手自身の一人称で歌える歌を書こうという方向性が決まり、組曲の核となったのが冒頭の詩です。この詩を終曲のテキスト『一筋の道を歩くなり』の主人公・旅人の台詞のように捉え、この旅人に歌い手・聴き手が自分を重ねられるような歌を目指しました。
 念頭にあったのは、“運命とは何か”という問いです。「我を生かす道」とは、自分が選んだ道だろうか、それともはじめから決まっていた道だろうか? どんな心で待っていれば、自分だけの道が見つかるのか? そもそも人生に、道は一本しかないのではないか? しかしそれならなぜ、悩みながら生きなければならないのか? そんな問いを誰かと共に考えられることを願いながら詩を選び、音を選びました。
 作曲を開始したのは2020年3月のことです。COVID-19による混乱に突入したばかりで、この世界は、そして大好きな合唱はこれからどうなるのだろうという不安の中で書き進めることになりました。そして書き上げた後は、初演機会の二度に渡る延期をはじめ、合唱への愛を挫かれ続ける日々。この文章を書いている今も、不安に終わりは見えません。合唱を続けるというだけのことにも意志と覚悟を必要とする中で冒頭の詩が何度も頭をよぎり、勇気づけられることもあれば、逃げ場がないことに慄くこともありました。立ち尽くし座り込むことがあっても、ここが自分の居場所、と思えるものがあることはやはり幸福なのだろうと何度も思い直して今も歩いています。
 合唱に限らず、COVID-19の経験を通して、それまで何も考えずにしていたことに決断が必要となったことが数限りなくあることでしょう。何かを好きという気持ちには好きでいるという意志が、どこかへ行くという行動にはそうすべき理由が、?今までもあって、見えていなかった小さな決断が? 改めて意識されるようになったと感じます。「運命にすなお」に生きることは、自分の大切なものを自分で決めて、それに向かって歩いていくという決断の積み重ねなのかもしれません。この組曲を構成する詩に触れることが、人生や運命について考えるきっかけになるとしたら、とても嬉しいです。
 最後に、「The Premiere vol.5」の開催のために尽力してくださった、どさんコラリアーズを含む北海道の合唱仲間の皆様に、心から感謝を申し上げます。そして、この楽譜を誰かが手に取るとき、仲間と気兼ねなく大声で歌える世界であることを祈ります。(藤嶋美穂)

藤嶋美穂
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