風よ (5’30"") ---------- 2021年5月1日、清水雅彦指揮によるChorus ST委嘱作品。未来に希望をつなげるような合唱曲を委嘱したい、という思いから出来た3部作の1曲。吹き抜ける風のような流麗なピアノに乗せて、透明感あふれる合唱が風に寄せる想いを歌い上げる。混声四部合唱作品。 グレード:中級 演奏時間:約5分30秒 <まえがき> この作品は、Chorus STさんの創立30周年を記念した第13回演奏会のために作曲いたしました。テキストは清水雅彦先生からフルリーナさんのいくつかの詩を送っていただき、その中で初めて読んだ際に風景がすぐに浮かんできた「風よ」という詩を選ばせていただきました。曲を通して、特にピアノパートによって絶えず風が流れています。その風はフルリーナさんの詩にあるように、様々な表情をもっています。またその時々の心情によって吹く風の感じ方が異なるように、同じメロディでも風の吹き方(音)が微妙に違っていたりします。ピアノパートが奏でる様々な風に導かれながら、強く明確な意思を持って合唱パートを歌い進めていただけたらと思います。 私が大学生の時、清水先生にお声がけいただき、Chorus STさんのピアノを少しの間務めさせていただいたご縁で、この作品を書く機会をいただきました。素晴らしい機会をくださった清水雅彦先生、優しく、美しいピアノを奏でてくださった鈴木真理子先生、そのピアノにのって、温かく、力強い風を吹かせてくださったChorus ST with 30周年記念合唱団の皆様に、心より御礼申し上げます。予想のできないことが起こるような昨今、フルリーナさんからのメッセージ、詩の最後にある「生きる 生きる いのちを生きる このいのち 生きる」が初演の際、強く心に響きました。このメッセージが多くの方に届きますように。(山下祐加)
山下祐加
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