かいだん (3’00”) ---------- 〈参考音源〉 指 揮 久保宏之 ピアノ 館山圭子 合 唱 横浜市立中沢小学校合唱団
「こどもコーラス・コレクション-ジュニア-」の第10弾。 テキストは「階段」を想起させる視覚詩である。独特な詩のイメージを大事に作曲された作品で、ピアノと合唱との掛け合いが楽しく、リズム遊び・言葉遊びとしても取り組める音楽。 参考音源が試聴できるQRコード・演奏ポイントの解説付き。 グレード:初〜中級 演奏時間:約3分 <まえがき> 詩集をぱらぱらめくっていて突然目の前に「かいだん」が現れた時は、とてもびっくりしました。字の階段だ! しかも、読んでもとっても楽しい詩です。 「あそびごころ」いっぱいの関根榮一先生の詩「かいだん」を、私は一目で好きになってしまいました。このわくわくするかいだんを、私は音楽でつくってみたいと思いました。 私はよく山に散歩に出かけます。そこには長い長い階段があります。のぼっていると、目の前が階段だらけになります。だんだん、なにをしているのかわからなくなってきます。けれどだんだん、それも楽しくなってきます。同じ事のくり返しのようでいて、気持ちはいつも変わっています。そうして登りきった時、広がる景色、ふわっと軽くなる体、空気のいいにおい! おりる時には「あれ、こんな大きな木、あったっけ?」と驚いたりします。みなさんもぜひ味わってください。 そしてあらためて、この曲は本当にのぼれる階段ではありません。けれどだからこそ、エッシャーの絵のように不思議な階段や、富士山どころか地球を見おろすくらい大きな階段を、みなさんは組み上げる事ができます。歌いこんで、音楽の躍動感が生まれてきたら、嬉しいです。また、楽譜の中の色々な「しかけ」に気づいて下さったら、曲の表現がますます広がると思います。 何より大切なのは皆さんの「あそびごころ」です。大人になるほど上手に遊べなくなってくるものです。どうか皆さんが今「たのしい」「おもしろい」と思う気持ちを忘れずに、そのままこの曲にこめて歌ってください。大人もわくわくするような「かいだん」を、楽しみにしています。(橋本 剛)
橋本剛
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