赤いスイートピー (4’30"") ---------- 1982年1月にリリースされた松田聖子の8枚目のシングル。松任谷由実から松田聖子へ初めて提供された曲。 当時はユーミンの作曲作品ということでも話題になった。松田聖子の楽曲の中で人気の高い曲の一つで、今もなお本人だけでなく多くのアーティストにより歌われている。シンプルではあるが男声も加わった混声合唱ならではのハーモニーの奥深さを感じていただきたい。 グレード:初〜中級 演奏時間:約4分30秒 <まえがき> 「赤いスイートピー」は、昭和57(1982)年のヒットソングです。 歌手の松田聖子さんは私と同じ福岡県出身で、子どもの頃からとても親しみのある芸能人でした。また、作詞の松本 隆さんは、その繊細で情景的な歌詞が大好きで、私にとって「作詞家で曲を聞く」という唯一の方です。この編曲委嘱を受けた昨年(2021年)は、松本さんの作家生活50周年という記念すべき年でもあり、とても不思議な縁を感じつつ、筆を進めました。 編曲にあたり留意したことは、呉田軽穂ことユーミン(松任谷由実さん)の旋律と和声進行には手を加えない、ということです。それは、この作品に対する私の敬意の表現でもあります。 ただ、原曲は「女性から男性へのラブソング」であるため、男声パートの歌詞には一部カットがあります。そうすることで、「男性から女性へのラブソング」にもなるような構成にしています。 ピアノは単なる伴奏ではなく、二人の心理の綾を表現するようなオブリガートが多々出てきます。時には合唱以上に訴えることがあるかもしれません。この編曲では、声部間の多層的な拡がりをとても意識しています。演奏する際も、そこを大切にしてもらいたいと思います。 この作品から、単なる昭和ノスタルジーではない、私たちの生きる令和にも通じる恋愛の普遍性を感じてもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。(森山智宏)
森山智宏:編曲
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