このごろ (3’20”) ---------- 合唱コンクールの自由曲として歌いたいシリーズ「こどもコーラス・コレクションーシニアー」の第7弾。 オシャレで軽やかなコーラスとピアノのアンサンブルが非常に魅力的な作品。誰もが共感でき心が軽くなるようなテキストで、その感覚を大事に音楽が丁寧に作られている。コンクールの自由曲向きの作品であり、どのような学校でも取り組みやすい同声三部合唱曲。 参考音源が視聴できるQRコード・合唱指揮者による演奏アドバイス付き。 グレード:中級 演奏時間:約3分20秒
<まえがき> 山本純子さんの詩に出会ったのはいつだったでしょうか。記憶に間違いがなければ高校生くらいの頃かもしれません。どうしてこの詩集『海の日』を選んで、高校生の少ない小遣いで買ったのかは覚えていません。家に持って帰り詩を読みふけりました。優しい文体の山本さんの世界はふわっと自分を包み込んでくれるようでした。当時合唱部に在籍してすでに合唱曲を書き始めていた頃でしたから、この詩集の詩にも曲をつけていつか合唱部で歌ってもらうんだ、と考えていました。結局高校生時代は言葉に合う曲を思いつきませんでしたが……。 この詩集にいつか曲を付けたいと思ってから10余年、ついにその機を得ることができました。山本さんの言葉は、風景が目に浮かべやすい。それは具体的なものとしてよりは「印象」のようなものとして迫ってくるものでした。今回、同声三部合唱を作曲する機会をいただいた時に、ふとこの詩集のことを思い出して本棚から引っ張り出し詩を再読しました。高校生の時に読んだ印象に加えて、取った年の数だけ深みの増す詩だなと思いました。きっと重ねた年月の分の思い出などによって味付けされていく詩なのでしょう。 この楽譜を手に取る皆さまは学生さんかもしれないし、あるいはもっと大人なのかもしれないですが、この歌詩はその時々によって違った風景を見せてくれることでしょう。ぜひともこの歌をかわいく、長く歌い継いで、味わってみてください。 詩に付曲することをご快諾くださった山本純子さんに心より御礼申し上げます。(西下航平)
西下航平
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