空気 (4’10”) ---------- 〈参考音源〉 指 揮 吉田 宏 ピアノ 岩本果子 合 唱 合唱団あたらよ
合唱コンクールの自由曲として歌いたいシリーズ「こどもコーラス・コレクションーシニアー」の第5弾。 スケールの大きなテキストで、音楽は詩の世界に乗ってリズムとメロディーがみるみる変化していき、クライマックスでは印象的な旋律が心に響く。心地よく深呼吸させてくれるような肯定感に満ちた作品。小学校高学年?中学校のコンクール自由曲向き。 参考音源が視聴できるQRコード・解説者による演奏ポイント解説付き。 グレード:中級 演奏時間:約4分10秒
<まえがき> 息を吸うこと・吐くこと、空気を共有するというごく自然で当たり前なことに、とてもセンシティブな今。まど・みちおさんが1975年に書かれたこの詩は、時代を超えてこどもたちに寄り添い、心地よく深呼吸させてくれるような、今まさに歌われるべき詩ではないかと思いました。「ぼく」の目の前の身近な視点から始まり、やがて大きな「地球」へのまなざしへ、鮮やかに広がっていく世界。空気はいつもそばにあって、あらゆる生き物の胸の中を入れかわり分かち合うものだという、大らかな肯定感。まどさんの温かくユーモアに満ちた言葉は、今を生きる私たちをやわらかく包んでくれるようです。音楽も、詩の豊かな世界に乗って手のひらサイズから壮大なスケールまで、景色や色彩がみるみる変化していくような曲になりました。目には見えない空気が様々な色や表情を持って旅するように、生命力溢れる演奏を期待しています。 親しみやすい曲調ではありますが、音楽的な表現力や音域の面でやや難易度は高めかもしれません。小学校高学年?中学生のみなさんにもぜひチャレンジしてもらえたら嬉しいです。もちろん、「こども」以上のみなさんにも。 最後にピアニストの方へ。この曲は歌とピアノがいつもアンサンブルをしていて、ピアノだけを聴かせる箇所は無いのですが、ピアノが常に背景や支えに徹するのではなく、大いに「ものを言う」意識で積極的に音楽を作っていっていただけたらと思います。合唱のみなさんにもピアノパートだけを聴いてもらったり、それぞれのパートを理解し合いながら楽しく音楽作りができると良いですね。(名田綾子)
名田綾子
|