1. 前奏曲 2. 東京だョおっ母さん 3. 有楽町で逢いましょう 4. ガード下の靴みがき 5. 上を向いて歩こう 6. おーい 中村君 7. 下町の太陽 8. ウナ・セラ・ディ東京 9. こんにちは赤ちゃん 10. 見上げてごらん 夜の星を ---------- 既刊の女声合唱「続・TOKYO物語」の混声三部合唱版。2021年5月1日「Chorus ST 第13回演奏会」にて委嘱初演。昭和30年代のヒット曲から「東京」を感じさせる歌を選び、ストーリーを構成。演出がしやすいように、ところどころナレーションがついている。前奏曲含め全10曲。 グレード:初級 演奏時間:約17分30秒 <まえがき> 昭和20年代の歌謡曲を集めたメドレー『TOKYO物語』の女声版が刊行されたのは1996年のことだった。 「20年代」「東京」「女性」とテーマを絞った選曲、女声二部合唱という取っつきやすい編成、随所に挿入されたナレーションを兼ねたメッセージ文などが受けたのか、おかげさまで大好評をもって迎えられ、いまなお版を重ねている。 そのうち、混声合唱団でも歌いたいという要望が高まって、2007年に混声三部合唱版も刊行された。「女性」をテーマにしていたので、混声版はいかがなものかという想いもあったが、これもまた順調に版を重ねることとなった。 しかし、それから年月を経て、「もう少し新しい歌が入っていれば……」という声が耳に入るようになった。昭和20年代の歌をリアルタイムで愉しんだ世代のかたがたがお齢を召され、いまや歌う人も聴く人も、それらの歌は物心つく前の文字通りのナツメロとなってしまっているだろう。平成も過ぎ、令和の時代となり、少し新しい年代の歌が求められても不思議ではない。 2019年に、『TOKYO物語』出版のきっかけを作ってくれた磯辺女声コーラスからお話があり、昭和30年代の歌謡曲を集めた「続篇」を作ることになった。「正篇」と同じスタイルで作られた『続・TOKYO物語』女声版は、同年9月14日に初演され、ほぼ同時に刊行となった。高度成長時代の前半、日本人が「より良い未来」を無条件に信じられた時代へのオマージュというべき曲集である。 このたびは、混声版も引き続き作成することにしていた。表紙の写真なども、最初から「女声版用」「混声版用」として選んでおいたものである。混声版の初演は2020年5月5日、「正篇」の初演団体であるChorus STと、その設立30周年記念として集まってくれた有志の人々によっておこなわれる予定になっており、刊行もやはりほぼ同時のつもりだった。 ところが、2020年初頭からはじまった新型コロナウイルス蔓延の余波で、初演は見送られ、約1年後にようやく実現した。それに伴い、楽譜の刊行時期も遅れることになった。 やや幸先の悪いスタートになってしまったとはいえ、この曲集が「正篇」同様、多くの人々に歌い継がれることを願っている。 なお、「こんにちは赤ちゃん」の男声パートに、カッコ付きの歌詞が添えられている箇所があるが、この歌が当初、永六輔氏の長男誕生に際して「父親の歌」として書かれたことに敬意を表したものである。梓みちよさんが歌ってヒットした「母親の歌」ヴァージョンには出てこないのだが、よろしければご利用ください。(猪間道明)
猪間道明:編曲
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