1. たままゆ (4’15”) 2. 風の祈り (5’00”) 3. さくら (4’50”) ---------- 敬宮愛子内親王御生誕のお祝いの歌として作られた「たままゆ」に、さわやかな新緑の季節が目に浮かぶ「風の祈り」と、古木の薄墨さくらの散りぶりの絢爛さを歌った「さくら」の二曲を追加した、美しい組曲の混声版。急逝した尾高惇忠の遺作である。全3曲。 グレード:初〜中級 演奏時間:約14分15秒 <まえがき> 「敬宮愛子内親王」ご誕生を祝して、2001年に堀口すみれ子作詩・尾高惇忠作曲による“たままゆ” が女声合唱として初演されました。その後、やはりすみれ子さんの詩による“風の祈り” “さくら” と続けて作曲。 “たままゆ”とは「繭」の美称。ここではいたいけなもの、未来を孕むものといった意味で、美しい自然描写にのせて、愛の心を大切に生きれば子供たちの、そして皆の未来は美しく輝き平和なものとなる、という思いが込められています。 “風の祈り” では、我が子の健やかな成長と幸せを願う親の気持ちが、 “さくら” には永遠回帰、輪廻の思想を暗示するテーマが表れています。 尾高惇忠は2021年2月16日、あの世へと旅立ちましたが、苦しい闘病生活1年の間に“ヴァイオリン協奏曲” を完成させ、その他色々な曲のオーケストレーションの仕事をし、限りある命の日々でも創作意欲を燃やしておりました。 前の年(2020年2月)には、東京混声合唱団定期演奏会での“春の岬に来て” の混声合唱版の素晴らしい演奏をとても喜び、病床でもその録音を聴き、音楽、特に美しい合唱に癒されておりました。その影響もあって、この“風の祈り” もまた混声に、と思った様です。“春の岬に来て” に続き、“風の祈り” も今回の出版により多くの方々に歌っていただけるようお願いいたします。(尾高綾子)
尾高惇忠
|