1. 雨の樹の主題による小幻想 (3’20”) 2. 長靴を履いた天使 (5’20”) 3. 通り雨(無伴奏 / ヴォカリーズ) (1’20”) 4. いつか虹の向こうへ (4’30”) ---------- 2017年2月、合唱団「うぃろう」による委嘱作品。2021年2月、混声合唱団名古屋大学コール・グランツェにより「通り雨」を加えた全曲初演。雨をテーマにした作品。雨をマイナスではなくプラス思考で捉えており、物語として楽しむような感覚で作られた混声四部合唱作品。全4曲。 グレード:中級 演奏時間:約14分30秒 <まえがき> この作品は、(少なくとも作曲者としては)最初から組曲として構想していたわけではありませんでした。 まず、2015年6月に新潟で行われた「初夏の交歓演奏会2015〜あまやどりコンサート〜」にて初演された「長靴を履いた天使」(女声合唱版)を1 曲ものとして作曲したところからスタートし、その後、大変有難いことに様々な合唱団に再演頂き、都度細かな改訂を重ねて行った結果、こんにち 4 曲の組曲として出版させて頂く運びとなりました。 この作品は、関わってくださった合唱団の皆さまと共に作り上げてきたといっても過言ではありません。 「雨」というと、ともすれば内向的な面や、アンニュイにさせうる面も持ち合わせていますが、この作品ではそういった面は主軸にせず、そして、どちらかというと雨を慈しんだり、楽しんだり、雨による浄化や、恵みのようなものを軸にすることを意図して作りました。 この空気感は、詩によって導き出されたところが大きいです(特に「長靴を履いた天使」「いつか虹の向こうへ」はどちらもポップで親しみやすい詩です)。 この作品は、組曲としても、もちろんそれぞれ単品としてもお楽しみ頂けます。 「『雨』にまつわる詩で書かれた演奏会用作品集」というイメージで、1曲1曲のストーリーを、短編集を読むような感覚でお楽しみ頂ければ幸いです。(汐見美玖)
汐見美玖
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