1. 贈る言葉 (3’30"") 2. さよならの向う側(5’30"") 3. 微笑がえし (5’00"") 4. どんなときも。 (4’30"") 5. また逢う日まで (2’40"") ---------- 演奏会の最後にアンコールは付き物。むしろそれを楽しみに聞きに来られるお客様もいらっしゃるのでは? 「今日はこれで終わり」という別れの意味だけではなく「これから新たな人生への旅立ち」という意味も含めた、涙無しでは歌えない曲や妙に盛り上がる曲を、やさしめのグレードで女声三部合唱にまとめた。全5曲。 グレード:初〜中級 演奏時間:約21分10秒 <まえがき> 私がPOPSのアレンジを始めたのは音大の学生の時だった。“合唱”というと、縁遠い人たちからは、ある種偏ったイメージを持たれ敬遠されがちな時代…。「もっと合唱を身近に感じてもらいたい」「皆が普段聴いている曲を、声のハーモニーで表現するとこんなにカッコイイんだよ!」ということを伝えたくて、POPS を歌い始めたのがきっかけだったように思う。当時は今のようにシャレた(?)POPSの合唱アレンジというものがあまり手に入らず、「それなら自分で作ればいいのでは?」というのがスタートだった。そしてそれが今の私の原点になっている。 今回は“アンコールに適した曲”というテーマで、誰もが耳にしたことのあるPOPSの名曲を集めた。「さよならの向う側」は私の初期の作品で、アレンジの構想は当時のままに新たに筆を加え、初めて出版の運びとなった。この曲は、歌手の山口百恵さんが人気絶頂期に引退表明し、そのラストソングと言われている。歌い終わってからそっとマイクを置いてステージを去る、という姿も伝説となっている。この曲に込められた、自分を励まし支え続けてくれた人への感謝と愛、そして未来へ向かう別れの覚悟や潔さが、スローバラードのテンポの中にひたひたと、そしてじわじわと熱い情熱が地表に見えないマグマのように込み上げ歌いあげられていく様がとても好きで、心を熱くする名曲だと思っている。 混声版に続き、女声版を出すにあたって「女声版ならではのアンコール曲を」との要望があり「微笑がえし」を書き下ろすことにした。キャンディーズが解散するときの最後の楽曲でもあり、曲・歌詞も含めてこれぞまさに“アンコール”にふさわしいと思ったからだ。別れに際し、涙をこらえながら未来に踏み出そうとするせつなさと強さ、そして歌詞のキーワードにキャンディーズの歴史を織り込んでいく楽曲の味わいにも名曲の素晴らしさを感じながら編曲した。 アレンジに際しては、アンコール曲の練習にあまり時間がとれない皆さまの事情も考慮し、なるべく歌いやすくシンプルに。そして単曲でも使用でき、かつ全曲通して1つのステージとしても成り立つような選曲・構成とした。いままで練習期間や演奏時間の関係で既刊のヒットメドレーシリーズ(「HANA」「COLORS」「SORA」「LOVE」「YUME」)に取り組めなかった合唱団の皆さまにも、ぜひ気軽に歌っていただけたらと願う。(三沢治美)
三沢治美:編曲
|