1. 風の五線譜 (3’00”) 2. たまご (2’30”) 3. フウセンカズラ (1’10”) 4. 返 事 (2’50”) 5. あとがき(『夜にいっぱいやってくる』) (3’40”) 6. 水ぬるむ (4’50”) ---------- 比較的年齢の高い合唱団でも取り上げられやすい難易度で「年代に関係無く人生の応援歌になるような作品を」というコンセプトで作曲された。 特にテーマ性を持たせることなく、日常の風景を描いた詩や亡くなった方への想いを乗せた詩などさまざまな雰囲気のテキストを、暖かく、優しく、時にはしんみりとした音を紡いで歌われる。 グレード:中級 演奏時間:約18分 <まえがき> 女声合唱組曲「風の五線譜」は詩人、高階杞一さんの6編の詩からなる組曲です。2019年10月に名古屋の女声合唱団コール・AIの皆様が創立30周年となる記念演奏会で委嘱初演してくださいました。 委嘱のお話をいただいた際、指揮者の中村先生から「どの年代の人でも歌える人生の応援歌のような作品を」というリクエストがありました。そして今回選んだ6編の詩は、日々の生活を新たな視点から見ることができ、生きていく上で抱えた複雑な気持ちを優しく解きほぐしてくれるような作品です。詩の持つユニークな世界観や深い精神性をどのように表現するかという中で、新しい自分の音楽に出会えるような気がしました。 組曲として並べる際には、様々な性格を持つ6曲で後半に向かって一つのドラマが描けるように構成しました。1曲目の「風の五線譜」は美しい題名の通り、いろいろな葉っぱが一緒に音楽を奏でるという合唱にはぴったりの詩です。続く2、3曲目の「たまご」、「フウセンカズラ」は日常の風景が宇宙的な視点で描かれています。軽快なリズムや神秘的な雰囲気を持つ曲調で表現しました。4曲目「返事」はア・カペラで始まり、途中から雪が降ってくる様子をピアノで描いています。5曲目の「あとがき」は持続するスピード感のあるテンポが特徴です。終曲「水ぬるむ」は、切ない気持ちの中にもそっと背中を押してもらえるような詩で、曲も詩に寄り添うように作曲しました。後半3曲は冬を越えて春になる、夜の後にはちゃんと朝が来るという私の願いも込めています。また、ピアノパートは詩の背景や心情などを表現する上で様々な役割を担っていますので、是非アンサンブルを楽しんでいただけましたら幸いです。(山下祐加)
山下祐加
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