1. みえない手紙 (4’30”) 2. ひとりぼっち (3’15”) 3. さがして (3’35”) 4. じぶんのための子守歌 (3’20”) 5. もしも (3’30”) ---------- 岩見沢コールアイリスにより2018年9月22日初演。工藤直子の平明で女性らしい詩によくマッチした心和む作品。ピリッとスパイスの効いた感性と、「あなたにあえてよかった」「うまれてきてよかった」というポジティブな締めくくりが感動的である。全5曲。 グレード:初〜中級 演奏時間:約18分10秒 <まえがき> 北海道、岩見沢には、私が若い時からお世話になっている先生ご夫妻がいらっしゃる。合唱指揮者の横山直樹先生、そして義子先生である。 義子先生が指導していらっしゃる、《コールアイリス》は、2018年、おめでたいことに創立60周年を迎えられ、記念演奏会が催された。その演奏会のために、光栄にも私に新曲を書かせてくださった。 横山義子先生は、この演奏会で指揮者をご勇退なさる、とのことで、構想を練る私の想い入れも一入となったが、演奏会当日を迎えるまでには、いくつかの大きな出来事が待ち受けていた。 一つは、義子先生がご病気になられたことである。一時は、義子先生はお振りになれないのでは、と心配されたが、幸いにも、当日は一つのステージの指揮を務められた。また、私の作品はご主人である横山直樹先生のタクトのもと、感動的な演奏をしていただき、聴衆の涙を誘った。さらに、他のステージではご子息の横山琢哉さんが指揮をされ、まさに「横山ファミリー」による温かい、忘れられない演奏会となったのであった。 もう一つは、演奏会直前に北海道胆振東部地震に見舞われたことだ。その日は、私がコールアイリスの練習に伺うことになっていた日で、前日から岩見沢に宿泊していて、早朝、ホテルで被災したのだった。練習は止むなく中止となってしまったのだった。一時は、本番の開催も危ぶまれたが、幸いなことに、無事演奏会は開催され、会場のまなみーる岩見沢市民会館大ホールには満員のお客様が詰め掛けたのであった。 私が、コールアイリスの皆さんのために選んだ詩は、工藤直子さんの、この組曲と同名の詩集に所収されているものである。いつも自然体で、飾らず、人生を謳歌している工藤さんの、慈愛に溢れた言葉たちを、コールアイリスの皆さんは、演奏会で実に見事に再現してくださった。そこには、長年歌い続けてこられたメンバーお一人おひとりの豊かな人生が満ち、合唱団と義子先生との強い絆と、直樹先生の深い愛情がひしひしと伝わってきた。 工藤さんの言葉とともに、ご自分の人生賛歌としてこの曲を歌っていただけたら幸いである。(松下 耕)
松下耕
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