1. どうぶつたちのうた (4’30”) 〜かえるの合唱・ちょうちょう・ぶん ぶん ぶん・小ぎつね〜 2. 歌の翼に(久野静夫 訳/F.メンデルスゾーン曲) (3’10”) 3. ローレライ(近藤朔風 訳/F.ジルヒャー曲) (3’30”) 4. 3つの子守唄 (3’45”) 〜モーツァルト・ブラームス・シューベルト〜 5. ゆかいに歩けば(保富康午 詞/F.モーラー曲) (2’30”) ---------- 既刊の「日本の四季めぐり」イタリア歌めぐり」「フランス歌めぐり」に続く「歌めぐりシリーズ」の第4弾。 今回は誰でも知っているドイツの歌(歌詞は日本語)5曲からなる曲集である。 「どうぶつのうた」は「かえるのうた」「ちょうちょ」「こぎつねのうた」「ぶんぶんぶん」の4曲が登場。「歌の翼に」はオーソドックスなアレンジ。「ローレライ」はTake Fiveのリズムがベースに。「3つの子守唄」はモーツァルト、ブラームス、シューベルトの子守歌。終曲の「ゆかいに歩けば」は楽しく元気なアレンジである。 グレード:中級 演奏時間:約16分20秒 <まえがき> “古くから伝わる名歌にひとさじのスパイスを加え、新しい味付けで楽しむ”というコンセプトの「歌めぐり」シリーズ、この度「ドイツ歌めぐり」の初演を迎えることができました。今回は、クラシック音楽の礎を築いたドイツの大家たちへ敬意を表しつつ、幼い頃に誰もが口ずさんだであろうシンプルで可愛らしい民謡も織り交ぜ、ドイツ名歌の新たな楽しみ方を私なりに提案できればと思いアレンジしました。ドイツらしさも、ドイツらしからぬ意外性も、それぞれの曲の趣向を楽んでいただけたら幸いです。 1、どうぶつたちのうた J・S・バッハの〈トッカータとフーガ ニ短調〉で重厚な幕開け。その後〈平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番 プレリュード〉の清らかなピアノの調べにのせて「どうぶつたち」が順に登場します。日本でも馴染み深い「かえるの合唱」「ちょうちょう」「ぶんぶんぶん」「こぎつね」。対位法的な手法や古典派ソナタ形式の展開部のような主題労作など、ドイツクラシック音楽の技法を用いて素朴な民謡が壮大なストーリーを紡ぎます。 2、歌の翼に メンデルスゾーンの美しい歌曲を、原曲の良さそのままにたっぷりと歌い味わいます。器楽でも演奏されることの多いこの曲、間奏部分はたとえば弦楽器のように、魅力的な“楽器としての声”の濃密なアンサンブルが聴かせどころです。 3、ローレライ 有名なドイツの歌ですが、心地よい6拍子のメロディーとは裏腹に歌詞の内容はかなり“不穏”です。その、穏やかならぬムード、波にさらわれそうな不安定感を、5拍子のジャズ〈テイク・ファイヴ〉とのコラボレーションで表してみました。曲集の中でもスパイスとなるような、異色の1曲です。 4、3つの子守唄 モーツァルト(フリース)、ブラームス、シューベルトの子守唄をメドレー形式で。全体の共通モチーフとして、ベートーヴェン〈エリーゼのために〉の半音の動きがちりばめられています。これは愛しい存在を想う象徴的なモチーフとして、また半音で繰り返す音型がとろりとろりと眠気を誘うようで、子守唄のイメージとリンクさせています。 5、ゆかいに歩けば 曲集を締めくくる、明るくはつらつとしたマーチ。「ひるね」の部分では子守唄の音型がちらりと顔を覗かせ、最後には再び「どうぶつたち」も登場して賑やかなフィナーレに!(名田綾子)
名田綾子:編曲
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