1. 鐘 (2’40”) 2. 花火 (3’35”) 3. ゆびきり (3’15”) 4. あなたの心 (4’30”) ---------- 2019年6月22日に、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団により委嘱初演された作品。もの静かでありながらも力強い、竹久夢二の詩の世界観をそのまま音として表現した作品。ジャズピアノの経験が豊富な作曲者ならではの音づかいで夢二の詩の美しさを描き出す。混声版とは一味違う魅惑的な作品。ピアノ伴奏付。全4曲。 グレード:中級 演奏時間:約14分 <まえがき> この曲は私だけのものだった。私のために書いた。 窓を開けて、空だけがつながっているように思った。 どうしてこんなに分かり合えないんだろうと。 人は他者の望むようには生きられない。 知ったこの日も、知らずにゐた日も、幸せではないのだ。 私はこの曲から希望を奪った。 音楽はこの世と同じだから。 軽率な希望は人を傷つける。 歌う人々が現れて、不思議な気持ちだった。 ほんとうに美しい姿で歌っていたから。 心優しい人々との出会いをくれた。 優しくてあたたかな、きっと傷ついた人たち。心から大切に思う。 この曲はもう私のものではなくなったのかもしれない。 みんなを自由にしてあげたい。 「書いて欲しい」と説得してくれた若者たちがいなければ、この曲が生まれることはありませんでした。例えば「鐘」という曲が、彼らの高校時代や青春に何かを残してきたのだとしたら、心から幸せに思います。若者たちの未来に多くの希望があることを願っています。(森田花央里)
森田花央里
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