1. こめつきばった (1’35”) 2. みみず (2’00”) 3. 蟻 (3’00”) ---------- 作曲者が指導している西宮少年合唱団第56回定期演奏会のために書かれた作品。小さな生き物たちのユーモアあふれる姿を歌にしたもの。2018年3月24日初演。ことばあそびうた風で短いがステージ向けに使うだけでなく、音程や音階の練習曲集としても使える。全3曲。 グレード:中級 演奏時間:約6分35秒 <まえがき> 「虫の詩」は、私が指導している西宮少年合唱団の第56回定期演奏会のために作曲したものです。西宮少年合唱団の“少年”は、少年期の子どもたちを意味し、1961年に西宮市の育成団体として創設されて以来58年間に及ぶ活動を続けている少年少女合唱団です。 さて、女声合唱や同声(少年少女)合唱には、普通ピアノを伴う曲が多いのですが、時にはこの歌のように、ア・カペラの曲を採り上げてうたうことが、実力をつける意味でも、より透明なハーモニー感を養う意味でも、とても大切なことだと思います。 この「虫の詩」は、詩人 橋爪文さんの詩集「乗り捨てられたブランコ」の中の「虫の詩」から抜粋したものです。発想がとてもすてきです。もっと遠くへ飛ぼうと考えているうちに脚が曲がってしまったという「こめつきばった」、時間をもてあましているという「みみず」、ありことばがあるという「蟻」、いずれも私たちが思いもつかない想像の翼の広がりがあり、そしてとても楽しい詩たちです。 橋爪文さんは、広島で被曝され弟さんを亡くされた経緯をお持ちですが、それだけに、生きとし生けるものへの限りない愛と優しさが、この詩にもあらわれているのではないでしょうか。 この歌をうたうことで、すてきな発想の世界を、ぜひ楽しみ味わってほしいと願っています。(中西 覚)
中西覚
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