1. 前奏曲 2. 東京だョおっ母さん 3. 有楽町で逢いましょう 4. ガード下の靴みがき 5. 上を向いて歩こう 6. おーい 中村君 7. 下町の太陽 8. ウナ・セラ・ディ東京 9. こんにちは赤ちゃん 10. 見上げてごらん 夜の星を ---------- 既刊の「TOKYO物語」の姉妹編(続編)。2019年9月14日「磯辺女声コーラス 第18回定期演奏会」にて委嘱初演。昭和30年代のヒット曲から「東京」を感じさせる歌を選び、ストーリーを構成。演出がしやすいように、ところどころナレーションがついている。女声二部合唱。前奏曲含め全10曲。 グレード:初級〜中級 演奏時間:約17分30秒 <まえがき> 昭和20年代の歌謡曲を集めたメドレー『TOKYO物語』が刊行されたのは1996年のことだった。 「『銀座カンカン娘』を歌いたい!」というひとりの女子大生の声からはじまった企画だったが、「20年代」「東京」「女性」とテーマを絞った選曲、女声二部合唱という比較的取っつきやすい編成、それに随所に挿入されたナレーションを兼ねたメッセージ文などが受けたのか、おかげさまで大好評をもって迎えられ、いまなお版を重ね、多くの合唱団で歌われ続けている。編作者としてこれほど嬉しいことはない。 しかし、その一方で、「もう少し新しい歌が入っていれば……」という声も聞くようになった。考えてみれば、昭和20年代の歌をリアルタイムで聴き、歌い、愉しんだ世代のかたがたは、お齢を重ねられて、合唱の現場からは次々と離れてしまっているはずで、もはや『TOKYO物語』は文字通りのナツメロ曲集ということになっているだろう。平成も過ぎ、令和の時代となり、歌う人も聴く人も、もう少し新しい年代の歌を欲しがっているとしても不思議はない。 そんな中、『TOKYO物語』の出版のきっかけを作ってくれた磯辺女声コーラスからのお話があり、「続篇」を作ることになった。 基本的には『TOKYO物語』と同じスタイルで、「昭和30年代」「東京」をテーマにして作ってみた。なお「女性」のテーマは、今回は混声版も引き続き作成する予定なので、特に意識していない。 私は昭和39年の生まれなので、これらの歌たちは、私が生を受ける直前まで歌われていたことになる。日本経済は戦後10年にして戦前の水準を取り戻し、それから18年間にわたる奇跡的な高度成長を成し遂げた。私自身の知るその後半の時代は、公害や人間疎外などさまざまな負の面も次々に露呈してきつつあったが、前半にあたる30年代は、まさに昨日よりは今日、今日よりは明日がより良くなるという、希望と飛躍の時代と言って良かった。『続・TOKYO物語』は、いわば日本人が純粋に未来を信じられた時代へのオマージュである。 この曲集が、『TOKYO物語』同様、多くの人々に歌い継がれることを祈っている。(猪間道明)
猪間道明:編曲
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