1.ようこそ (1’10”) 2.ハナミズキ通り (1’40”) 3.きらわれた少女のためのうた(2’45”) 4.わたしの水平線 (2’20”) 5.猫の土地 (1’30”) 6.山茶花 (2’20”) ---------- 2019年3月23日、作曲者初の合唱作品個展にて委嘱初演。 どの曲も小さくまとまっており、日常のさりげない様子を描いた女性向きの内容で、どの世代の合唱団でも気軽に取り組みやすい作品。ピアノ伴奏付き、女声三部合唱。全6曲。 グレード:中級 演奏時間:約12分 <まえがき> この作品は、2019年3月に行われた「田中達也合唱作品個展ー 光のかたち ー」にて初演されました。テキストとして選んだ高橋順子さんの詩集「あさって歯医者さんに行こう」(deco)に出逢ったのは、刊行されてまもない10年ほど前のこと。詩の多くを占めるのは手を伸ばせばすぐ届くような日常のことです。そこで描写されている時間や距離の隔たりや、主体・客体をされげなく変化させることで作られる奥行き、そういったものを読み手にしみこませていく言葉の鮮やかさに夢中になった私は、いつか合唱曲にできれば……と思いつつ、この詩集をずっと温めていました。 個展演奏会に向けた新曲の構想を練っていた折、演奏会の指揮者の一人である野本立人さんから「女声の新曲はおかあさんコーラスをはじめ幅広い世代に受け入れられ、気軽に取り組める作品を」との示唆を頂きました。ずっと詩集のことは頭にあったのですが、この詩に作曲するちょうどいいタイミングが巡ってきた、ともそのとき思ったのです。結果としてできあがった音楽はディヴィジョンのない女声三部合唱、それぞれの曲も1分から3分弱と、拙作の女声合唱作品としてはとりわけシンプルで歌いやすいものになりました。おかあさんコーラスのみならず、すべての女声合唱を愛する皆さんに触れていただきたい作品です。(田中達也)
田中達也
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