「いちご白書」をもう一度 (4’15”) ---------- 1975年にフォーク・グループの「バンバン」により発表された作品。過ぎ去った学生時代を思い出すという内容の曲で、「いちご白書」とは1970年に公開された学園紛争の手記ををもとに制作されたアメリカ映画である。日本でも学生運動の記憶が残っていた時代。社会を変えるつもりで闘ったが、結局会社の歯車となってしまった元学生達への鎮魂歌。原曲のイメージを損なわないようシンプルで歌いやすいアレンジとなっている。 グレード:初〜中級 演奏時間:約4分15秒 <まえがき> 1975年にリリースされた、フォークバンド・バンバンを代表するヒット曲。タイトルにある「いちご白書」は、1960年代のアメリカで起こった大学闘争を描いた映画(およびその原作となったノンフィクション小説)で、当時多く制作されたアメリカン・ニューシネマの一つです。日本の学生運動における大きな転換点ともいえる東大安田講堂事件が起こったのが1969年、この曲がリリースされた当時はその記憶も色褪せていなかったのではないでしょうか。過ぎていった学生時代と、そこへ置いてきたものに折り合いをつける―――なぐさめと訣別の歌として、多くの人々に共感をもたらしました。 さて、このアレンジはピアノつき混声四部合唱でdiv. なし、というベーシックな編成となっています。[A][C][E]の語りかけるようなメロディと[B][F]の流れるようなメロディの対比を考えながら(特に[B][F]を先導するテノールは頑張って)、それらを支えるパートがどのような関係になっているかにも注目してください。一番の盛り上がりは62小節までとっておきましょう!(田中達也)
田中達也:編曲
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