1. 天使、まだ手探りしている(3’50”) ---------- 混声合唱アルバムの「天使、まだ手探りしている」の中から終曲を女声合唱にアレンジしたもの。 新たにピアノを加えて、混声や男声とは違った世界が浮かび上がって来た。 グレード:中級 演奏時間:約3分50秒 <まえがき> 混声版、男声版に続いて、ようやくご要望の多かった女声版を作曲しました。女声版はアンサンブルから大合唱までの多様な規模や世代の拡がりにも対応できるよう、編作に際してピアノ伴奏をつけましたので、混声・男声版にはなかった魅力に溢れています。 この曲の主要動機である7度の上行音型と、やや意外性をもつ代理コードの使用により、短くもドラマチックなピアノによるナレーション的プロローグ。変ト長調にの主和音に終止すると、突然、イ長調で舞台の幕を開けます。私が愛用しているコード進行に落ち着いた主部は、ピアノの4ビートによって快活な雰囲気を持っています。(混声版に比べて速いテンポを指定しているのは、このピアノのリズムから湧き上がる前向きな気持ちの表れと言えるでしょう。)その後、曲は大楽節のまとまりで展開し、主に7度跳躍の動機(わたしには見えない〜)、6度跳躍の動機(わたしのこころに〜)が繰り返されます。新鮮さが失われないよう、テンションを維持しながら歌いきっていただきたいと思います。時折、add9の音(ドミソに対するレ)を求めるシーンがありますが、個人的に女声らしいあたたかさと拡がりを感じて愛用している音であり、これを美しく響かせることはサウンド作りのポイントかもしれません。 イ長調の持つ輝き、心が踊るテンポ・ビート感、鮮やかに跳躍する旋律を多くの方に堪能していただければ幸せです。(相澤直人)
相澤直人
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