1. 夢 (4'40"") 2. 恋のなりふり(3'00"") 3. ひとみのうた(3'00"") 4. ひそかなうた(6'00"") ---------- 福島県・東京都を中心に活動する混声合唱団「花凜歌(かりんか)」の委嘱作品。 同作曲者による「女声合唱とピアノのためのフモレスケ 雪の蝶」収録の「夢」は、以前から混声版の要望が大きく、この楽曲を軸に同詩人の付曲作品で本組曲は作られた。 クラシカルな作風だが硬い内容ではなく、プロコフィエフやショパンの模倣、ドビュッシーのオマージュがあったりと、変化に富んだ楽曲で構成されている。 グレード:中〜上級 演奏時間:約16分40秒
<まえがき> この作品は、女声版として作曲した「夢」(「雪の蝶」第1曲/カワイ出版)を、委嘱を機に混声版とし、「恋のなりふり」「ひとみのうた」「ひそかなうた」の3曲を加えて誕生した混声合唱組曲です。 友人である、混声合唱団「花凜歌(かりんか)」団長の上村誠一さんから委嘱を頂き、作曲を開始した当初は3曲構成の組曲を想定しておりました。ところが制作が進むにつれスケルツォ風な曲を加えたくなり、急遽2曲目の「恋のなりふり」を作曲しました。全体としては2楽章にスケルツォ、3楽章に緩徐楽章を配置し、伝統的な4楽章構成の組曲となりました。 あえて伝統的な組曲構成としたのは、この作品はクラシカルな作風を意識し作曲をしたからです。「夢」での機能和声、「恋のなりふり」でのプロコフィエフ、ラフマニノフ、ショパンの模倣に加え、「ひとみのうた」のピアノパートではドビュッシーの「夢」を引用しています(作曲した2018年はドビュッシーの没後100年)。 このように自分の大好きな時代や作曲家の音組織、模倣、引用などを盛り込み自由に書かせて頂いた作品は、福島市音楽堂で開催された「花凜歌」の演奏会において、見事な演奏で聴衆の皆様に届けて頂きました。(土田豊貴)
土田豊貴
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