1. 春 風 -Der Fruhlingswind- (4'30"") 2. 音楽に寄す -An die Musik- (3'50"") 3. 愛のはじまり -Liebesanfang-(6'10"") ---------- 香川県立坂出高等学校合唱部委嘱作品。 後期ロマン主義(新ロマン主義)、オーストリアの詩人ライナー・マリア・リルケ(富士川英郎:訳)に付曲された作品。独自の言語表現が特徴の詩作に導かれるように、陰影のある叙情的な旋律が展開される。 歌唱難度以上に聴き応えのある作品。 グレード:中〜上級 演奏時間:約14分30秒 <まえがき> 2017年に続き、香川県立坂出高等学校合唱部のための新曲を書かせていただくことになり、「この風と共に運命が吹いてくる」(第1曲「春風」の冒頭より)という一節に惹かれ、いつかは付曲をしたいと考えていたライナー・マリア・リルケ[Rainer Maria Rilke](富士川英郎 訳)の作品をテキストとした女声合唱とピアノのための「音楽に寄す」を作曲いたしました。 前作「雪の蝶」のフモレスケ(シューマンのピアノ曲集より)に続き、今作でもロマン派作曲家の作品と同名のタイトル(シューベルトの歌曲「音楽に寄す」)となったのは偶然ではありますが、リルケの世界から描き出される言葉の数々と、坂出高等学校合唱部の充実した歌声から発想される音楽は、正に私の中でのロマン派音楽の世界であり、組曲全体を通して表情豊かな旋律とドラマティックな展開を意識した作品となりました。 2018年9月に坂出高等学校音楽ホールで行われた同校合唱部の定期演奏会では、前田朋紀先生の指揮、酒井 信先生、大井栄実子先生のピアノ、坂出高等学校合唱部の皆様の歌声により、見事な初演をご披露いただきました。ここに改めて感謝申し上げる次第です。(土田豊貴)
土田豊貴
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