1. あめ(4’35”) 2. とけい(3’10”) 3. みみ 〜フィリップ・シャヴァネックスへ〜(3’00”) 4. かがみ(3’10”) 5. かがりび(4’40”) ---------- 2015年11月7日、神戸職場人合唱団「かがり火」の創団40周年記念・第38回定期演奏会委嘱作品。「混声合唱のための かなうた 第1集」「女声合唱のための かなうた 第2集」に続く作品。ひらがなで書かれた詩に、口ずさみやすい旋律が付き、今までの作品と同じく日常の何気ない風景を描いた作品。終曲の「かがりび」の詩はこの作品集のための書き下ろし。今作はピアノ伴奏付きで、声だけでは表現しきれない世界観をピアノの音に織り込んだ。全5曲。 グレード:中級 演奏時間:約19分 <まえがき> 神戸職場人合唱団 かがり火の創立40周年記念に…と、演奏会が行われる2年半ほど前に作曲の依頼を頂きました。多くの場合、早くても1年ほど前に依頼を頂くことが多いのですが、通常よりも遥かに前からスケジュールを押さえていただき、何度も打ち合わせを重ねるという熱意に驚かされました。それと同時に、準備に時間と労力をかけていただいた分は、自分も良い曲を書くことで応えねばならない…と、強い決意を持って作曲に臨みました。 かがり火さんの演奏は学生の時に合唱祭で拝聴しており、数ある合唱団の中でも特に印象に残っております。他の合唱団が揃いの衣装で歌っていたのに対し、かがり火の皆さんはミュージカルのワンシーンを思い思いの服装で演じながら、生き生きと歌っていらっしゃいました。「こんな合唱もありなのか!」と感心すると同時に、アットホームな雰囲気、皆さんが歌や合唱を愛していらっしゃることがよく伝わってきた演奏でした。 作曲することが決まってから演奏会に伺った際もその印象は変わらず、なるべく平易な音で、日常でいつの間にか口ずさんでしまうような曲が良いのではないかと感じました。 「かなうた」シリーズはそのようなコンセプトにぴったりで、まさにかがり火の皆さんの「いつもの姿」を描いた曲集になったのではないかと思います。 1曲目から4曲目まではみなづきみのりさんの既存の詩に作曲しましたが、終曲のみ今回のために書き下ろしていただきました。特に打ち合わせや詳細なお願いをしたわけではないのですが、合唱団の雰囲気に合った言葉を紡いでいただき、締めくくりに相応しい歌を書くことができました。 かがり火の皆さんの熱い歌声は、時間が経った今でも鮮やかに思い出されます。生まれ育った神戸での初演だったことも相まって、印象深い初演になりました。また、学生時代からの盟友・内藤典子さんが見事なピアノで応えてくれたことも大きかったように思います。初演に際しお世話になった方々に、改めて御礼申し上げます。(北川 昇)
北川 昇
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