スコットランドの釣鐘草(堀内敬三 訳/スコットランド民謡) Green Sleeves (平井多美子 訳/イングランド民謡) いまこそ五月(黒沢敬一 訳/T.モーリー 曲) 埴生の宿 (里見義 詞/H.ビショップ 曲) 春の日の花と輝く (堀内敬三 訳/アイルランド民謡) ロンドン橋(高田三九三 訳/イギリス童謡) ---------- 昨年惜しくもこの世を去った編曲者の追悼出版。ジャズ界の大御所ではあるが、本編曲ではジャズテイストは隠し味として使用し、比較的歌い易く楽しい編曲となっている。 「スコットランドの釣鐘草」「Green Sleeves」「いまこそ五月」「埴生の宿」「春の日の花と輝く」「ロンドン橋」の6曲。演奏時間約18分。 グレード:初〜中級 演奏時間:約18分
<まえがき> この編曲の仕事にとりかかるうち、ふと自分の少年時代の想いでが浮かんできました。丁度戦争の末期で、空襲また空襲でほとんど授業らしい授業は出来ませんでした。そのうち学校の近くに爆弾が落ちて、爆風で教室の天井板が脱落し、窓ガラスのなくなった教室でしばらく授業を受けていた頃のことです。正直なところ食べるのに精一杯で、とても音楽どころではなかった状況が続いていましたが、ある日、担任の先生が欠席され、代役で教壇に立った先生が「あおばの笛」という曲を一時間かけて教えてくださったのです。オルガンもなく、当然ピアノもありません。無伴奏で、少しずつ先生が歌われる後をわれわれが追っかけるのですが、あのときの何かにとりつかれた様な先生のお姿と、久しく味わったことのない合唱(もちろん斉唱でしたが)の体験は、その後の私の音楽人生に大きく影響する貴重なものでした。 今はまことに平和な時代で、思う存分音楽を楽しみことができます。子どもの頃の素晴らしい体験は、生涯を通じて生きるエネルギーを与え続けてくれます。最近は特にそれを感じます。楽しく音楽を創りましょう。そして良い想い出を一杯創りましょう。 この曲集は、皆さんのよく知っているイギリスの歌を歌いやすく編曲してあります。楽譜には最小限の強弱しか書いてありませんので、皆さんが自由に音楽を創ってください。この曲集から色々な解釈が生まれ、楽しく歌って下さることを期待しています。(前田憲男)
前田憲男:編曲
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