1. 春 (3’16”) 2. 夏 (3’17”) 3. 秋 (3’19”) 4. 冬 (3’24”) 5. 冬から春へ(2’51”) ---------- 埼玉県の「みなみコーラス」委嘱作品。軽井沢の四季をテーマにした爽やかな女声合唱。彩り豊かなハーモニーにのせて、自然に抱かれる人間の想いを描く。全5曲。 グレード:初〜中級 演奏時間:約16分30秒 <まえがき> ■軽井沢の浅間山をバックに、青空の中一面に咲き揃うコブシの白い花。春到来の一枚のショットに私は目を奪われ、この詩を作るきっかけとなった。豊かな自然を育む高原の町、軽井沢。四季折々の自然の景色を紡ぎ出す草花や樹木、川の流れ、鳥の囀り、そして風。 移り行く季節の中で幾つもの情景が終わりのない物語として私の心に綴られて行った。幾度となく訪れたその地への思いと重ねて軽井沢(郷土)の自然に愛を込め、言葉を一つ一つ紡ぎ合わせて詩を完成することが出来た。 源田俊一郎氏は、この詩を見事な合唱作品として作り上げて下さった。さまざまな曲調により色合いを変え、音楽の豊かな表現力で言葉の一つ一つに奥行きと生命力が与えられた。 合唱団を指揮しながら、自分の紡いだ言葉が音楽の流れの中で、リズムや旋律と密接に繋がっている不思議と喜びを感じている。(藤田久男) ■夏の高原にはいつもセミが鳴いていた…。 軽井沢から見た浅間山の向こう側にある菅平高原の近く四阿山(あずまやさん)には、毎夏のように家族で訪れる山小屋があった。今回の作曲にはそこでの体験が原点になっている。一日中ウグイスが鳴き落葉松と白樺の林に吹く風に乗って舞うアサギマダラ。夏の高原の賑やかさから秋を思い、そして冬から春を想像する中で心に浮かんだ音を編んでゆく。 歌詞を伝えるメロディーは言葉の起伏をとらえて上下し、伝えようとする力がリズムとなる。 詩に内在するドラマに和音の移り変わりで色をつけ、転調しながら場面転換を図る。ピアノは歌が語りきれない背景を補いつつ、時に歌よりも雄弁に語る。 高原の四季に流れる風の歌を、幅広い層の女声合唱団に堪能していただきたいと思う。(源田俊一郎)
源田俊一郎
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