1. 死んでもいいと訳したるやうに (1’05”) 2. 恋は叶はぬときが優しく (2’05”) 3. うつくしき物語 (1’15”) 4. うつくしき物語 II (2’25”) 5. いづかたを眺めてか (1’30”) 6. 窓よりゆめを、ひかりの庭を (4’25”) ---------- ア・カペラの奇数番号の曲と、それに続くピアノ伴奏付きの曲がひとつのセットとして構成された作品(もちろん、単独の演奏も可である)。そのため、「合唱アルバム」の中ではグレードが比較的高いものとなっている。挑戦的なア・カペラ曲とメロディックなピアノ付きの曲の対比が面白い構成となっている。 グレード:中級 演奏時間:約12分45秒 <まえがき> 同世代の歌人(実際は多彩な才能をを持ち、多方面に活躍中)である栗原寛さんが、20代後半から30代前半に歌った短歌を収めた、歌集『窓よりゆめを、ひかりの庭を』。栗原さん自身が「見えているのに、手が届かないもどかしさ。思いが伝わらないせつなさ。僕にだけ見えない(と思ってしまう)さびしさ。言いまわしこそ、いくぶん“古風”と感じられるかも知れませんが、 ずいぶんと“蒼い”ことばのかずかず」と解説するこの歌集は、根底に「ひかりの庭」に対する憧憬や期待が書かれていると感じます。 選び抜かれた輝く言葉たち。 新しいタイプの(と言って良いでしょう)和歌と対峙したときの戸惑いもありましたが、自分自身のインスピレーションを特に重要視しながら音を紡ぎました。また、和歌そのものが洗練された少ない言葉で成り立っているものですから、無駄に曲が冗長ににならないように気をつけました。結果、全6曲のこのアルバムは「インスピレーションを重視した(やや難解な)無伴奏曲」と「歌心をもって歌えるピアノ付きの曲」というセットが3組並ぶ形に納まりました。それらの組では和歌の選定はもちろん、楽曲内でも共通のモティーフや素材が使われる等、多少の関連性を持たせています。なお、最終曲のみはステージのクロージングに相応しいよう、複数の和歌を組み合わせて規模のやや大きな曲となっております。(相澤直人)
相澤直人
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