平和のたね (3’00”) ---------- 「混声合唱とピアノのための『祈る日』」の終曲の「平和のたね」の女声二部合唱版。2017年11月3日、国立市制施行50周年事業として混声合唱版の初演が行われた後のミニコンサートでコーラス・インフィニ☆により歌われた。原爆により平和な日常を失った悲劇を二度と繰り返さないよう、「未来に向けて平和のたねをまこう」というメッセージソング。高い音もなく、美しく覚えやすいメロディラインなので、会場にいる方たちと一緒に歌えるアンコール向きの作品。 グレード:初級 演奏時間:約3分
<まえがき> この度上梓する女声二部合唱曲「平和のたね」は、先だって出版された『祈る日 〜混声合唱とピアノのための〜』の終曲のリダクション版である。『祈る日』は、国立市制施行50周年を記念し『くにたち平和組曲』として誕生した。国立市平和事業の一環である“原爆を忘れない”ための市民のメッセージが基になり、構成・作曲をした合唱組曲である。 広島・長崎に落とされた原爆は、人々の生活や生命を容赦なく奪った。『祈る日』では、当時を生きる人々の目線で戦争の悲しみを描きたかった。広島・長崎の人々の内なる声を聞きながら。そしてその終曲を、と考えたとき、ふと幼い日のことを思い出した。寝しなに祖母が寄り添い、歌とも語りともつかない声で何かを歌ってくれた。私はそれを子守唄のように聞きながら眠りについた。そうだ、終曲はそんな曲にしたい。命を全うできなかった人々のたましいを、近くに感じながら伝え続けられる曲。だからこの作品には、大上段に構えたコールは無い。ただただ与えられた命を繋いでいくという意志と、“歌う”という静かな行動を通して平和を希求するのみである。 組曲中の一曲は、子どもたちが歌えるやさしい曲を、との国立市からのご提案もあり、いつでもふっと旋律が口ずさめるように、「平和のたね」は、できるだけ平易にということを心がけ作曲した。お母さんが子どもに語り聞かせるように、時には子どもたちと一緒に平和の祈りを捧げる時に歌って欲しいと思う。 国立市は長年様々な角度から「平和事業」を展開しています。そしてこの度この作品の委嘱・初演の実現に至りましたことは、国立市が抱き続けている平和への強い希求の証しなのだと思います。このような貴重な機会を頂きましたことに深く御礼申し上げます。(瑞慶覧尚子)
瑞慶覧尚子
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