1. 希望 (2’25”) 2. 真相 (4’05”) 3. 乗り換え (2’35”) 4. 取り消し (1’55”) 5. いま (4’50”) ---------- 「関西大学混声合唱団ひびき」の50回記念定期演奏会のために委嘱された作品。 日々の生活のちょっとしたことを前向きに捉え、ささやかな輝きを与えてくれるような詩人の言葉を、曲ごとにキャラクターや色合いを考えながら作曲された作品。 詩人・作曲家・演奏者が関西にゆかりのある人たちということもあり、「乗り換え」は敢えて関西イントネーションで書かれている。 グレード:中級 演奏時間:約16分 <まえがき> この作品は、関西大学混声合唱団ひびき第50回定期演奏会の委嘱作品として作曲したものです。 詩は、関西ゆかりの詩人である杉山平一さんの詩集「希望」より5篇を。クリアな言葉でまっすぐに心を突くような美しい詩に惹かれました。杉山さんの詩を心に留めておくと、日々の生活の中で起こる様々な出来事に対して、捉え方や考え方が少し前向きに変わったり、人生がささやかに輝きを増すような、そんな温かな魅力を感じます。素敵な詩に出会い、曲を書く機会に恵まれたことを幸せに思います。 そして、この委嘱作品に杉山さんの詩を選んだもうひとつの理由、それは〈関西愛〉です! 杉山さんは人生の多くの時間を神戸と大阪で過ごされたとのことで、詩の中にも関西ローカルの単語が度々登場します。本作3曲目「乗り換え」は、まさに阪急電車や南海電車という、愛着ある地元のローカル線が登場し、関西人としては郷土愛をくすぐられずにはいられません。詩人も関西人、作曲家も関西人(名田は兵庫出身、中高時代は毎日阪急電車に乗っていました)、そして委嘱初演は関西大学の皆さん! 幸せな関西人コラボレーションでした。ちなみに「乗り換え」のみ、一部の旋律にあえて関西弁のイントネーションを取り入れています。 今回、委嘱のお話をいただいた時に、「これから先も長く歌い継がれる愛唱歌のような曲を」というお話がありました。そのような作品になれたかどうかわかりませんが、特に1曲目と5曲目(終曲)は前へ進む人へのエールソングであり、私なりの普遍的な愛唱歌にと思って書きました。5曲それぞれ、詩の持つキャラクターや色合い、香りを私のフィルターを通して音楽に仕立て、歌ってくださる方々の心と体、生き様を通して、聴く人に何か伝わるものがあれば嬉しく思います。もちろん、関西にとどまらず、地域を問わず歌っていただけると幸いです。(名田綾子)
名田綾子
|