1. 夜明けの夢 (2’30”) 2. かなしみが流れている (5’00”) 3. 虹を見つけた (2’25”) 4. 若葉よ、お前は (5’10”) ---------- 2015年、島根県立松江北高等学校の委嘱により初演された作品。 「夜明けの夢」は、小曲だがやや幻想的な和声感が心地よい楽曲。「かなしみが流れている」は器楽的な楽想で、ベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」第2楽章が合間に推移的に流れ、印象的である。「虹を見つけた」は、間奏曲的な作品。「若葉よ、お前は」は、快速で心地よいビート感を失わないように書かれた規模の大きな曲。全体的には『合唱アルバム』でありながら、『組曲』を意識した作品となっている。全4曲。 グレード:中級 演奏時間:約15分 <まえがき> 「虹を見つけた」は、松江北高等学校合唱部からの委嘱により、2年に亘って作曲した混声合唱アルバムです。当時の顧問である内藤久嗣先生のご指導のもと、生徒さんが主体となって実現した「詩も曲も委嘱」するプロジェクトをとても光栄に思い、意気に感じつつ筆を進めたことをよく覚えています。 2014年に「夜明けの夢」「若葉よ、お前は」の2曲を作曲しました。「夜明けの夢」は規模的には小曲と言えるかもしれませんが、大人らしい流麗な和声を持つ曲です。対照的に「若葉よ、お前は」は高校生の若さが弾け、エネルギーが溢れながら前進する5分程の楽曲。このアルバムにおいては、オープニングとフィナーレに配置しました。 「かなしみが流れている」と「虹を見つけた」は翌2015年に作曲。「かなしみが流れている」は、連綿と溢れる16分音符の悲しみと、比較的自由な和声進行で進む短調の響きが印象的で、その後にベートーヴェンの優美な旋律が悲しみを癒します。(同年に松江北高等学校合唱部がNHKコンクールの全国大会で、好演をしてくださったことは鮮烈な映像として残っています。)「虹を見つけた」は、このアルバム内で最もオーソドックスな作品とも言えますが、単曲としても、もしくは終曲への予感としても効果的です。(相澤直人)
相澤直人
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