1. 朝の仔馬 (2’00”) 2. 神の仔馬 (2’10”) 3. 星の仔馬 (2’40”) 4. 眼に星のできた仔馬 (1’20”) 5. 大通り公園の仔馬 (1’40”) 6. 夢をみる仔馬 (3’30”) ---------- 1995年に出版した混声合唱版の女声合唱版。2018年2月初演。 詩画集「仔馬/羊たち」の中から付曲。詩人のちいさなものへの柔らかい眼差しとぬくもりを、合唱を通じて表現した作品である。全6曲。 グレード:中級 演奏時間:約13分20秒 <まえがき> この作品は元々混声合唱組曲「星の仔馬」として書かれたもので、すでにカワイ出版から楽譜が刊行されていました。その後、この作品を女声用としても歌ってみたいという指揮者や合唱団の求めもあったにもかかわらず、なかなかそれを実現できないままに今日に至ってしまいましたが、この度ようやく女声合唱版が完成し出版される運びとなったことを嬉しく思っています。 詩を書かれた友田多喜雄氏は1931年東京本郷のお生まれ。終戦の年、北海道へ開拓農民として移住し、また農民詩人として活動されてきた方です。私は縁があってNHK札幌放送局の委嘱によって文化庁芸術祭参加作品を制作するときに友田氏の詩とはじめて出会いました。その後も交流は続き、いくつかの作品も生まれました。「星の仔馬」も友田氏の詩画集「仔馬/羊たち」のなかから選び合唱作品にしたものです。 詩を読んでいただければ感じられると思いますが、「仔馬」に寄せる温かな優しい眼差し、そしてその奥にある生命の尊さを思う愛に溢れているすばらしい詩です。 友田氏が描かれる世界はどれも平易な言葉で表現されていながら、私たちが普段意識もしない思いを透かし彫りのように浮かび上がらせる感性に満ちています。 ここでその例の一つとして混声版の前書きでもご紹介した次の詩を掲げたいと思います。 錠 前 店頭にあるとき、なんの変哲もない それはただの錠前だ。 しかし購われたとたん、錠前はしだいに 陰翳を帯びていく。ひとつひとつ 固有の時をもってしまう。 「ちいさきものたち」より 女声版の初演は2018年2月11日、川口市、リリアメインホールで文教大学教育学部音楽専修生の演奏、作曲者の指揮によって行われました。(柳田孝義)
柳田孝義
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