|
ダヴィド・フォンタネージ(b.1969): 1-4. 8声のための4つのマドリガーレ 5-8. 6声のための4つのマドリガーレ 9-12. 5声のための4つのマドリガーレ 13-16. 8声のための他の4つのマドリガーレ
※録音:2025年6月、Sala Musicale Giardino(イタリア、クレマ) [45:56] ---------- ルネサンス期の詩と現代の対位法が交差する、緻密な声楽アンサンブル。現代イタリアの作曲家フォンタネージが、16世紀の詩集『レ・ルグレ』を現代の技法で構築したア・カペラ作品集。前衛のドグマや安易な新ロマン主義と距離を置き、対位法と西洋音楽の伝統を重んじるイタリアの作曲家、ダヴィド・フォンタネージによる無伴奏声楽作品集です。本作は、プレイヤード派の中心人物である16世紀フランスの詩人、ジョアシャン・デュ・ベレーの詩集『レ・ルグレ(哀惜)』のテキストを用いた16曲のマドリガーレで構成されています。フォンタネージの作品において「4」という数字は秩序の原則としてしばしば機能しており、本作でも全16曲が「8声」「6声」「5声」「8声」という4つのグループ(各4曲)に厳密に分割されています。デュ・ベレーの詩が持つアナフォラ(首句反復)や修辞的な問いかけといった統語論的構造を、そのまま音楽的な模倣や和声の進行へと変換する手法がとられています。ルネサンス期における「言葉に従う」というイタリア・マドリガーレ(第二作法)の精神を現代の語法で再解釈しており、主にシラビックな書法を用いながら、苦悩や皮肉を表現する箇所では半音階的アプローチが差し込まれます。編成の増減が劇的な効果を生んでおり、8声のグループでは建築的な広がりや主張を、6声では内省的な瞑想を、5声では鋭く論争的なトーンをそれぞれ明瞭に描き分けています。古楽やルネサンス・レパートリーに精通したエラート・アンサンブルによる、精緻なポリフォニーの解釈が光る録音です。
エラート・アンサンブル、マッシモ・ロンバルディ(指揮、テノール)
|