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アントニオ・デ・パドゥア・プージ - Antonio de Padua Puzzi (1762-1819) : 1-9. 4声のミサ曲 Kyrie Gloria Laudamus te Gratias Domine Deus Qui tollis Qui sedes Quoniam Cum Sancto Spiritu 不詳 - Anonymous : 10-11. レクイエム(W.A. モーツァルトの「レクイエム ニ短調 K. 626」による)(エヴォラ大聖堂所蔵の写本) Introitus Kyrie
※録音: 30 October - 4 November 2024, Seminario de Nossa Senhora da Conceicao, Braga, Portugal [55:52] ---------- [中低音楽器の活躍が味わい深い18世紀末ポルトガル礼拝音楽を古楽器で]古典派時代のポルトガル王室のために書かれたミサ曲を、オランダやベルギー、フランスなど欧州各地の第一線シーンで活躍する古楽器プレイヤーたちが実力派歌手たちと演奏。リスボンでは1755年の大震災で文化活動に壊滅的な被害が及んだ後も王室音楽は徐々に活況を取り戻し、礼拝堂では1770年代以降19世紀初頭まで、各1対のチェロとファゴットからなる非常にユニークな編成で豊かな教会音楽が紡がれていました。ここに収録されているのはモーツァルトより少し遅れてドレスデンで生まれ、若くして父親と共にリスボンに移住、そこに活躍の場を見出したイタリア系作曲家プージ(プッツィ)の作。キリエと8つの部分に分かれた長大なグローリアからなる「4声のミサ曲」は、2つのチェロと2つのファゴットが歌心豊かで活発に独立した動きをみせ、そのパート間の豊かな掛け合いが、見事な古典派的均整に貫かれたスタイリッシュな合唱に味わいを添えてやみません。声楽パートは各2人ずつで、バロック歌劇の独唱者としても活躍が目立つアナ・キンタンシュ(ソプラノ)やフェルナンド・ギマラネシュ(テノール)などソリスト8人の巧みなアンサンブルが見事。巻末には当時の写本に見つかる、やはりチェロとファゴットを用いたポルトガル流の編成に書き直されたモーツァルトのレクイエム抜粋も収録されており、特にそれらの楽器の際立った動きで始まるイントロイトゥスはきわめて新鮮な聴覚体験をもたらしてくれます。
アンサンブル・ボンヌ・コルド、ディアナ・ヴィナグレ (指揮)/Ensemble Bonne Corde, Vinagre (con)
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