(1) ジョン・タヴナー(1944-2013):聖なるもの(チェロ)(1995) (2) ヴォルフラム・ブッヘンベルク(b.1962):輝ける父の栄光(ヴァイオリン)(2015) (3) クヌート・ニーステッド(1915-2014):スターバト・マーテルOp.111(チェロ)(1987) (4) ペーテリス・ヴァスクス(b.1946):平原の風景(ヴァイオリン・チェロ)(2002)
※録音:2021年2月26・27日、6月26・27日 ドレスデン・聖アンナ教会、DDD、[59'20] ---------- 合唱にヴァイオリンとチェロが加わる作品で構成された、珍しいアルバム。ヴァイオリンとチェロはオブリガート(助奏)と言うよりも、協奏曲のソリストの様な立ち位置である。始めの3曲は宗教的な題材なので、合唱が「人間たち」ヴァイオリンとチェロが「神」を象徴していて、神との対話と触れ合い(タッチズ)を描いている。4曲目は詞のないヴォカリーズの合唱が「自然界の風景」で、ヴァイオリンとチェロが「神の息吹」を描いているようだ。新しい佇まいの宗教音楽を、静かに味わいたいアルバムである。マティアス・ユングは1963年、マグデブルク出身。ワイマール音楽大学で声楽と指揮を学ぶ。ワイマール・ヴォーカル・コンソートを創設し、多くの国際コンクールで優秀な成績を修める。1991年にドレスデン聖十字架合唱団の指導者となり、1994年から1996年まで同合唱団の音楽監督を代行する。1996年に、ザクセン声楽アンサンブルを創設する。ヴァイオリンのアレクサンドラ・スムは1989年、モスクワ出身。2歳の時に一家でフランスに移住した。5歳から父の指導でヴァイオリンを始める。7歳の時には、ウクライナで初のコンサートを行う。その後ウィーンに移り、ボリス・クシュニールに師事。ウィーン音楽院、グラーツ国立音楽大学で学ぶ。2004年にルツェルンで開催された、ユーロヴィジョン・コンクールで優勝。現在は、フランスを拠点に活動を行なっている。チェロのイサン・エンダースは1988年、フランクフルト出身。12歳でミハエル・ザンデルリングに師事。その後、リン・ハレルに師事して大きな影響を受けた。20歳で、ドレスデン・シュターツカペレの首席チェロ奏者に任命される。ソリストとしてヨーロッパの主要オーケストラと共演。チョン・ミュンフン、エッシェンバッハ、インバル、メータ、ペトレンコといった著名な指揮者と共演している。シトコヴェツキー・ピアノ三重奏団のメンバーとして、室内楽の分野でも積極的に活動している。
マティアス・ユング(指揮)、ザクセン声楽アンサンブル、(2)(4)アレクサンドラ・スム(Vn)、(1)(3)(4)イサン・エンダース(Vc)<br />
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