レクイエム K.626(ジュスマイヤー補筆完成版) アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
※録音:2023年2月4日/ブリュッセル(ライヴ) [45:31] ---------- モーツァルト畢生の名作『レクイエム』に新たな注目盤登場。何とも個性的なのがオーケストラの質感。管楽器の名手が集結するベルギーの老舗古楽器楽団「イル・ガルデリーノ」の演奏だけあって管楽器の充実ぶりがすごいです。モーツァルトは『レクイエム』の管楽器セクションに「バセットホルン、ファゴット、トランペット、トロンボーン」という暗めの音色に寄った異質な編成を採用していますが、この音響効果をみごとに具現化した演奏といえるでしょう。木管はどっしりとした重みと存在感をもち、金管はときに地響きのような強靭さをもって吹かれ、一息一息のフレーズに歌に劣らぬ生命が宿っています。弦楽器も常時エネルギーにあふれておりジュスマイヤー補筆のスコアが隙のない完成度であることを物語る高密度の演奏。さらにソリストと合唱団も腕利きぞろいで、いくつもの音のレイヤーが次々と塗り込められ重なっていく「Domine Jesu」など特に鮮烈。ライヴの熱気も相まって終盤は声楽と器楽が一つの大河のごとく収斂され、大いなる音楽が滔々と流れていきます。併録『アヴェ・ヴェルム・コルプス』の堪らぬ美しさも合唱指揮に造詣の深いバルト・ファン・レインならでは。
イルゼ・エーレンス(ソプラノ)、バルバラ・コジェリ(メゾソプラノ)、キーラン・カレル(テノール)、アンドレアス・ヴォルフ(バス)、バルト・ファン・レイン(指揮)、フラマン放送合唱団、イル・ガルデリーノ/Bart van Reyn, Vlaams Radiokoor, Il Gardellino Orchestra
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