ガブリエル・フォーレ - Gabriel Faure (1845-1924): 1-7. レクイエム Op. 48 (1900年版) Introit - Kyrie (Chorus) Offertory (Baritone, Chorus) Sanctus (Chorus) Pie Jesu (Soprano) Agnus Dei (Chorus) Libera me (Baritone, Chorus) In paradisum (Soprano, Chorus) シャルル=フランソワ・グノー - Charles-Francois Gounod (1818-1893): 8-13. クローヴィスのミサ Kyrie Gloria Credo Sanctus Benedictu Agnus Dei ルイ・オーベール - Louis Aubert (1877-1968): 14. おお、救いのいけにえ アンドレ・カプレ - Andre Caplet (1878-1925): 15. アダージョ
※録音: 2022, Chapelle de Confl ans, Charenton-le Pont, France [59:08] ---------- [ニケがフォーレのレクイエムを再録音、カップリングはグノーほかの秘曲]エルヴェ・ニケとその手兵ル・コンセール・スピリチュエルによるフォーレのレクイエムが登場。ニケは2014年にもフランダース放送合唱団と共にフォーレを録音しているので、約8年をあけての再録音ということになります。前回同様今回も1893年版を元に、ファゴット、トランペット、トロンボーンとティンパニを省くという処置を取りました。演奏は作品の美しさをたっぷりと歌い上げるとともに、ニケらしい筋肉質の表現も随所に聴かれ、なかでも「サンクトゥス」の力強さは特徴的。「レクイエム」の定番の新たな魅力を引き出しています。カップリングにはグノーが1891年に着手し、その歿後1896年に出版された混声合唱とオルガンのためのミサ曲を収録。1871年の普仏戦争敗北後のフランスで守護的な象徴として注目されていた、メロヴィング朝フランク王国の初代国王クローヴィス1世(466頃-511)の洗礼1400年記念を意識して書かれたものとされ、「クローヴィスのミサ」の名が付けられています。グレゴリオ聖歌を元にし、パレストリーナなどルネサンスの手法を参考にしつつ、グノーらしいユニークさも兼ね備えた作品です。これら2曲の後奏として収められているのは、ルイ・オベールによるソプラノ独唱、ヴァイオリン独奏、合唱とオルガンによる宗教的な小品と、アンドレ・カプレが宗教的儀式のために書いたヴァイオリンとオルガンのための一種の瞑想曲。なかでもルイ・オベールは1888年に行われたフォーレのレクイエム初版の初演時に、ボーイ・ソプラノとして「ピエ・イエズ」を歌った縁があります(さらに後年にはピアニストとして、ラヴェルの「高貴で感傷的なワルツ」の初演も行っている才人)。ヴァイオリンのソロはル・コンセール・スピリチュエルのコンサートマスターを務めるほか、ソリストとして世界中で活躍するシュシャーヌ・シラノシアンが担当、技術と表現の両面で冴えわたった演奏を聴かせています。
ル・コンセール・スピリチュエル、エルヴェ・ニケ (指揮)/Concert Spirituel Ensemble, Niquet
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