ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス op.123
※録音:2023年5月11-16日、カルドナ城修道院 [76:19] ---------- サヴァールの勢いがとまりません。ベートーヴェンの交響曲(第1-5 番:AVSA-9937 /第6-9 番:AVSA-9946) に続く、ベートーヴェン・シリーズの第3 弾にして完結編の登場。1823年(1819-1823年にかけての制作) に完成した、ミサ・ソレムニスです。サヴァールは、2023年10月末に来日公演が実現しました。ヴィオール奏者としての来日でしたが、その音楽が素晴らしいのはいうまでもなく、演奏技術のすばらしさも80代にしてなお世界最高峰であることを聴衆に印象づけたツアーとなりました。指揮者としての活動ももちろんますますの高みにあります。サヴァールは、「ベートーヴェンについて私がいつも魅了されるのは、その言葉の力強さもさることながら、彼の音楽が、出自や階級や信条に関係なく、すべての人間に語りかけ、単に貴族や聖職者のエリートを満足させるためだけに作曲されていないことだ。」と述べています。ここでも過去の伝統のすべての重みから解き放たれた別次元の世界で、まさに作品が生まれたばかりのような生々しさで、ベートーヴェンの音楽がすべての人間に語りかける力に満ちていることを実感させてくれる演奏です。録音も素晴らしく、冒頭からやわらかく包み込まれるような極上の世界。コンサートミストレスは、ラヴェル作品のCD「ムーヌへのオマージュ」(KKC-6580/CC-72916) で2022年のレコード・アカデミー賞を受賞して一挙に注目度が高まっているリナ・トゥール・ボネ。≪ベネディクトゥス≫でのソロもボネが演奏しており、文字通り天上的な、聴き手を高みに連れて行ってくるような美しさです。
ジョルディ・サヴァール(指揮)、ル・コンセール・デ・ナシオン〈リナ・トゥール・ボネ(コンサートミストレス、ソロ)〉、ラ・カペラ・ナショナル・デ・カタルーニャ(合唱/合唱指揮:ルイス・ヴィラマホ)、YOCPAアカデミーメンバー、リナ・ジョンソン(ソプラノ)、オリヴィア・フェアミューレン(メゾ・ソプラノ)、マルティン・プラッツ(テノール)、マヌエル・ヴァルサー(バリトン)/Savall
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