1-9. ヘンデル(1685-1759):主は言われた HWV232 10-18. ジョヴァンニ・バティスタ・フェッランディーニ(c.1710-1791):聖母マリアの嘆き
※録音:2022年5月23-25日/アントワープ、Amuz [56:26] ---------- ヘンデルの『主は言われた Dixit Dominus』は作曲家22歳の時の作品。ローマ滞在中に書かれたもので、イタリア音楽からの影響がみられます。音楽はとにかく劇的で、のっけからテンション激しく合唱と独唱が乱れ飛び、器楽も大胆なまでに協奏的に盛り上がります。終曲の息もつかせぬ展開がまた強烈。フラマン放送合唱団とイル・ガルデリーノの意欲十分、熱気にあふれた演奏が、曲の持ち味をより明快に引き出しています。イタリアの作曲家フェッランディーニの『聖母マリアの嘆き』は一時期ヘンデルの作品として伝わっていたもの。音響的には静かめですが、きしむような音のぶつけかたが劇性をはらみ、心をえぐります。2作を聴き比べることによって、ヘンデルがイタリア書法の旨味を巧みに消化していることがわかるでしょう。
デボラ・カシェ(ソプラノ)、レイチェル・レドモンド(ソプラノ)、ソフィー・レナート(メゾソプラノ)、バルト・ファン・レイン(指揮)、フラマン放送合唱団、イル・ガルデリーノ/Bart van Reyn, Vlaams Radiokoor, Il Gardellino Orchestra
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