(1) プーランク:ロコマドゥールの黒衣の聖母へのリタニア (2) クレマン・ジャヌカン:ああ、甘い眼差しよ (3) プーランク:スターバト・マーテル
※録音:2022年10月19, 20日/コンピエーニュ帝室劇場(ライヴ)(2)(3)、2023年2月21日/ロワイモヨン修道院食堂(1) [41'00] ---------- 衝撃的なストラヴィンスキーの「結婚」とラヴェルの「ボレロ」のディスク(AP.300/KKC.6647)で注目を集めたロマーノとアンサンブル・エデス、待望の新譜はプーランクの「スターバト・マーテル」。オーケストラ・パートはレ・シエクルが担うという豪華盤。1950年の作品ですが、なんと初のピリオド楽器による演奏となります。ロトの弟子にして助手も務めたロマーノは師の影響を強く受けていて、ノン・ヴィブラートのピュアな音色はもちろんながら、リズムの切れの良さと推進力が魅力。いずれもプーランクの音楽のポイントでもあるため理想的な世界を実現しています。「スターバト・マーテル」のオーケストラ編成は大きいものの、ロマーノはロトが同曲を指揮したらと思わせる透明でエネルギーあふれる美演を繰り広げます。カップリングの「ロコマドゥールの黒衣の聖母へのリタニア」は女声合唱とオルガンという編成。プーランクの宗教作品のなかでもとりわけ感動的なものですが、初演時に立ち戻るという姿勢からフランス国立図書館所蔵の自筆譜を用いた演奏で、鮮烈な印象を残します。さらに注目なのが、プーランクの間奏曲的にクレマン・ジャヌカンのシャンソン「ああ、甘い眼差しよ」を彼らの歌唱で聴くことができること。宮廷の近寄りがたい女性への愛の歌とされますが、ロマーノは聖母マリアに宛てたものではと指摘していて、リタニアやスターバト・マーテルの間にあっても違和感なく、音楽にたっぷり浸れます。
マチュー・ロマーノ(指揮)アンサンブル・エデス、マリアンヌ・クルー(ソプラノ)、ルウイ=ノエル・ベスティオン・ド・カンブーラ(オルガン)(1)、レ・シエクル(3)/Mathieu Romano, Ensemble Aedes, Les Siecles
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