フランツ・リスト(1811-1886): (1) ストラスブール大聖堂の鐘 S.6(バリトン、合唱とオーケストラのための)(1874) (2) カンタンティブス・オルガニス S.7(アルト、合唱とオーケストラのための)(1879) (3) 2つの伝説 S.354〔水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ/小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ〕(1862-3) (4) 聖フランチェスコ S.665(1880) (5) アッシジの聖フランチェスコの太陽の讃歌 S.4(バリトン、男声合唱とオーケストラのための(1862年/1879年改訂)) (6) ホザンナ S.677(バス・トロンボーンとオルガンのための)(1862-3)
※録音:(1,2,4,5)2021年10月9,10日、ウィーン・イエズス会教会 / (3)2015年6月5日、リスト・ホール / (6)1983年9月22日、ウィーン・コンツェルトハウス ---------- ハーゼルベック指揮、ウィーン・アカデミー管による、リストのシリーズがスタートします。1865年に僧籍に入ったリストは、キリスト教を題材とした作品を多く書くようになります。そして、ほかの作曲家にはあまり例をみませんが、絵画や書物から題材をとった、聖人にまつわる音楽を多く書いています。ここでは、「聖人の伝説」として、キリスト教上の様々な聖人にまつわる物語を音楽にした作品をシリーズとしてお届けします。第1弾は、聖チェチリア(2)、ふたりの聖フランチェスコ(《2つの伝説》(3))などが取り上げられています。リストが交響詩を多く書いたのは1850年でした。1862年頃の《2つの伝説》はピアノ版でも広く知られる作品ですが、ピアノ版とこの管弦楽版、どちらが先に完成したかについては定かになってはいません(ピアノ版とは順序が逆になっています)。ピアノ版でも既に豊かな情景に満ちた音楽ですが、交響詩などと比べても遜色ないクライマックスの見事な演出など、管弦楽版ならではの魅力に満ちています。「小鳥」の音色を管楽器で奏でたりと、より一層豊かな色彩感をもって、聖フランチェスコが説教するシーンが響きます。ほかにも、アッシジの聖フランチェスコが自然を讃えた祈り「太陽の讃歌」に基づいた《アッシジの聖フランチェスコの太陽の讃歌》を収録。バリトン・ソロを務めるのはバイロイト音楽祭や東京・春・音楽祭などでもおなじみのトマシュ・コニエチュニ。《ストラスブール大聖堂の鐘》では、まるでワーグナーを思わせる管弦楽と合唱をバックに、力強くもドラマティックな歌声を聴かせます。演奏会用小品の《ホザンナ》など、演奏機会の少ない作品が収録されております。ハーゼルベックの指揮が導く音楽が非常にドラマティックにして敬虔な空気に満ちており、教会の荘厳な空気までをも伝えてくれるようです。ハーゼルベックはオルガン奏者、指揮者として数多くのリリースと受賞を重ねた重鎮。1985年にピリオド楽器のウィーン・アカデミー管弦楽団を設立し、バロックからロマン派作品まで、ウィーン楽友協会および世界中で演奏会シリーズを重ねました。
トマシュ・コニエチュニ(バリトン)、ステファニー・ハウツィール(メゾ・ソプラノ)、ヴィエネンシス合唱団、アド・リビトゥム合唱団、マルティン・ハーゼルベック(指揮およびオルガン(S.665))、ウィーン・アカデミー管弦楽団/Martin Haselbock, Orchester Winer Akademie
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