1-7. フォーレ:レクイエムop.48 入祭唱とキリエ 奉納唱 聖なるかな万軍の主 慈しみの主イエスよ 世の罪取り除く神の子羊よ 死のかせほどき とわの救いを 天のみ国へ 8. フォーレ:J.ラシーヌの聖なる賛美op.11 ※ピアノ伴奏版(日本語監修:谷口惠一、ピアノ伴奏編曲:沢田真智子)
※録音:2022年11月25日西神中央ホール(神戸市)ライブ録音、[40:04]/企画・製作:ドイツ・レクイエムを日本語で歌う会 代表 谷口惠一 ---------- 谷口惠一は神戸市の職員として奉職し2013年退職。これまで音楽や合唱をこよなく愛し、神戸クリスチャンクワイアの指揮や演奏などに携わり、宗教音楽の演奏活動を広げてきた。2012年より、ブラームス「ドイツ・レクイエム」の日本語歌詞化に取り組み、15年に楽譜を出版し初演は16年。18年に神戸新聞松方ホールで延原武春指揮テレマン室内オーケストラによる演奏会を開催。その後フォーレの「J. ラシーヌによる聖なる賛美(ラシーヌ讃歌)」の日本語訳版を出版する。1995年阪神淡路大震災後に開催されてきた「レクイエムの夕べ」(神戸市主催)で神戸市混声合唱団により歌われてきたフォーレのレクイエムは、市民にとって大きな心の慰めのコンサートであったが、残された人々の心、希望の光となる聖書的な部分をもっと身近なことばで伝わらないのかと日本語化に取り組み、2021年に楽譜を出版(出版社:エピック)。2022年に出版記念コンサートを神戸市の西神中央ホールで開催し、CDはそのライブ録音である。谷口のたっての希望で神戸市混声合唱団に依頼した。プロの演奏家としてソリストとしても名を馳せるメンバーばかりの16名が、初心にかえって日本語演奏に取り組んだ。同団の副指揮者として歌い手達のハーモニーと個性を引き出す太田務と、33年間専属ピアニストを務めた沢田真智子の伴奏という贅沢な組み合わせである。ラテン語のイメージだけにひっぱられず、日本語ならではのフレーズ感と和声の響かせ方が聞きどころ。ピアノ伴奏編曲は沢田真智子、カルマス版スコアとピアノ伴奏譜を参考にした丁寧な構成で、美しくオーケストラやオルガン的な豊潤な音色が浮かびあがってくる。この貴重なライブ録音からは、演奏会の来場者たちが、ことばの新鮮な世界にひき込まれ、温かい思いに包まれている様子が伝わってくるのではないだろうか。
太田務(指揮)神戸市混声合唱団、沢田真智子(ピアノ伴奏)
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