アレッサンドロ・グランディ - Alessandro Grandi (1586-1630) : 1. 10声のマニフィカト 2. 主よ、わたしは心を尽くして祈りを捧げる 3. 主は言われた 4. 主を畏れる者は幸いである(3声) 5. 主は言われた 6. 讃えよ、主に従う者たちよ 7. 主を讃えよ 8. 主よ、わたしは心を尽くして祈りを捧げる(3声)
ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー - Heinrich Ignaz Franz von Biber (1644-1704) : 9. わたしは嬉しかったのです
アレッサンドロ・グランディ - Alessandro Grandi (1586-1630) : 10. 第4旋法による「讃えよ、主に従う者たちよ」 11. 讃えよ、エルサレムよ
※録音: 21-26 July 2019, Church of San Francesco della Vigna, Venice, Italy ---------- [大小さまざまな声楽群が織りなす音宇宙、バロック初期のヴェネツィア様式の極致]1590年にヴェネツィアで生まれ、同世代のシュッツと同じく巨匠ジョヴァンニ・ガブリエーリの複合唱形式をじっくり学んで育ったアレッサンドロ・グランディ。一時フェラーラの宮廷で活躍するもヴェネツィアに戻り、モンテヴェルディが指揮する聖マルコ教会の楽員を務めたのち1627年にベルガモの礼拝堂楽長となったものの、伝染病が猛威を振るった1630年に亡くなってしまいました。ベルガモに移って間もなく出版された作品集はいずれもガブリエーリの影響を色濃く残しながら、合唱の各パートを独唱として扱うコンチェルタート様式を追求した17世紀らしい音楽的進化が見られます。この作曲家の作品を体系的に追っているイタリアの古楽グループ、アカデミア・ダルカディアは9人の独唱者とヴァイオリン、テオルボ、オルガンからなるアンサンブルに、コルネット(ツィンク)と大小サックバット(トロンボーンの前身)からなる金管合奏で臨むウト・ファ・ソ・アンサンブルの協力を得て、編成の大きい作品でも各歌手の独立性を保った室内楽的解釈で作品の魅力をじっくり引き出します。ピッチは当時の北イタリアに合わせてやや高めの465Hz。10声にも及ぶマニフィカトはポスト=ガブリエーリ世代の貫録十分、3声と通奏低音からなる作品では一転、マドリガーレのような緊密な音作りが見事というほかありません。同レーベルでの先行録音(A464)に続く、本場イタリアならではの上質の古楽録音です。
アカデミア・ダルカディア、ウトファソル・アンサンブル、アレッサンドラ・ロッシ・リューリヒ(指揮)/Accademia d'Arcadia, UtFaSol Ensemble, Lurig
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