ジョン・ダウランド(1563-1626):Flow, my tears(流れよ、わが涙)/ In this trembling shadow(この恐れ慄く影に) ウィリアム・バード(1540頃-1623):Tristitia et anxietas(悲しみと不安)/Quomodo cantabimus(異国の地で主なる歌を歌えようか?) リチャード・デリング(1580 頃-1630):Factum est silentium(天上には沈黙があった) ピーター・フィリップス(1560/61頃-1628):Gaude Maria virgo(喜べ、処女マリアよ)/Regina cali latare(喜べ、天の女王よ) フィリップ・ド・モント(1521-1603):Super flumina Babylonis(バビロンの流れのほとりに) ヒュー・ワトキンス(b.1976):The Phoenix and the Turtle(不死鳥と亀) ロバート・ホワイト(1538 頃-1574):5声の嘆きの歌
※録音:2018年2月 ---------- 「天上のハーモニー」無伴奏声楽アンサンブル、スティレ・アンティコによる最新盤は、エリザベス朝時代に亡命した作曲家たちの作品集。エリザベス1世は、イギリス国教会を確定させ、古いカトリック教の信者たちにひどい扱いをしました。王朝への服従と良心の間に揺れたフィリップス、ダウランドたちは、海外での亡命生活を選びました。また、英国に残り、精神的に孤立しながら過ごした音楽家たちの中には、ロバート・ホワイトやウィリアム・バードのように、みずからをバビロンに移住したイスラエル人にたとえたりもしました。作曲家がテキストや音楽に込めた祖国への気持ちに思いを馳せつつ、スティレ・アンティコの美しいアンサンブルにただただ聴き入る1枚です。
スティレ・アンティコ/Stile Antico
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