1. 夏の雨 2. レガティッシモ 3. タント・ジェンティーレ(とても優しく) 4. 私は言った、あなたは誰? - 彼は言った、あなたです 5. 流れよ、わが涙 6. マニフィカト ---------- エストニアの作曲家トイヴォ・トゥレフの合唱作品集。彼は宗教的な神秘主義を貫いており、その作品にはグレゴリオ聖歌から連なる伝承と表現主義の融合が見られます。若い頃から様々な国を巡っており、なかでも“イスタンブールの町から受けた印象が作品に強く影響を及ぼしている”と彼自身が考えています。神秘主義でありながらも、ペルトのようなシンプルな和声を好むのではなく、どれも難解なハーモニーで書かれており、美しい和声に思える響きにも複雑な音が組み込まれ、聴く者にある種の混乱を与えます。なかでもTrack2に置かれた「レガーッティシモ」(世界初録音)は激しいパーカッションのみの作品ですが、この響きは最後の「マニフィカト」の静謐な音と統合され、トゥレフの求めるカラフルな世界が完結します。ラトヴィア放送合唱団の素晴らしいアンサンブルが聴きどころです。
ラトビア放送合唱団、カスパルス・プトニンシュ(指揮)、ヘイゴ・ロジン(打楽器)/ほか
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