Lieder von einer Insel-島からの歌(1964) インゲボルク・バッハマンの詩による室内合唱団と7楽器のための合唱幻想曲 1. Schattenfruchte fallen von den Wanden 2. Wenn du auferstehst 3. Einmal mus das Fest ja kommen 4. Wenn einer fortgeht 5. Es ist Feuer unter der ErdeOrpheus Behind the Wire-鉄条網の向こうのオルフェウス(1984) エドワード・ボンドの詩による無伴奏合唱曲のための 6. What was hell like? 7. The Point to be noted 8. You who survived 9. It was changed 10. OrpheusFunf Madrigale-5つのマドリガル(1947) フランソワ・ヴィヨンの「偉大なる聖書の詩」による小混声合唱団と11の独奏楽器のための 11. Im Wald, da ruht 12. Und ist kein Feld 13. Als Kaiser Alexander 14. Wer sterben mus 3:39 15. Dein Bild im Angesich
※録音: 17-18 July 2012, 6-7 and 11-12 April 2016, Stuttgart Funkstudio des SWR ---------- ドイツの現代作曲家ヘンツェの合唱作品集。大編成の作品に人気が集中するヘンツェですが、言葉を用いる声楽作品には、彼の「真実の声」が反映されており、これらはヘンツェの芸術観や哲学的思想、そして宗教観までをも垣間見ることができる貴重な作品群として知られています。なかでも、ギリシャ神話の「オルフェウスとオイリディーケ」をイギリスの劇作家エドワード・ボンド(1934-)が現代に翻案した「鉄条網のオルフェウス」は根強い人気を持つ作品。もともと労働者階級であったボンドは、10代から戯曲を書き始め、衝撃的、暴力的な舞台で物議をかもした人ですが、年とともに作風を転換させ、80年代には戦争をテーマにした作品を多く手掛けた人。この作品も、まさに戦争によって引き裂かれ、抑圧された恋人たちがモティーフであり、付けられたヘンツェの音楽も無調でありながら、時にうっとりするほどの美しさに満ちています。初期の作品「5つのマドリガル」は、やはりヘンツェの戦争体験が反映された古典主義的なシンプルな表現を持つ曲。また「島からの歌」にも伝統的な表現が用いられています。どれも演奏は困難ですが、クリードが指揮する南西ドイツ放送合唱団とアンサンブル・モデルンは、曲の魅力を余すことなく伝えています。
マルクス・クリード(指揮)、南西ドイツ放送合唱団、アンサンブル・モデルン/South West German Radio Vocal Ensemble, Ensemble Modern, M. Creed
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