1. Kyrie あわれみたまえ ニ長調 2. Gloria 栄光あれ ハ長調 3. Laudamus e Gratias agimus 我らは主を讃え、主に感謝を捧げる ト長調 4. Domine Deus 神なる主 変ホ長調 5. Qui tollis 世の罪を除きたもう者よ ホ長調 6. Qui sedes 御父の右に座りたもう者よ ハ短調 7. Cum sancto spiritu 聖霊とともに ハ短調 8-10. クレド ニ長調〈Credo ニケア信経/Et incarnates est 聖霊によりて/Et resurrexit そして再び〉 11. ドニゼッティ:アヴェ・マリア 12-13. マイール:サンクトゥス 14. マイール:アニュス・デイ
※録音 2014年9月22-26日 Asamkirche Maria de Victoria, Ingolstadt, Germany ---------- ドイツの合唱音楽の伝統では「宗教的作品では楽しい旋律を避ける」と「世俗作品ではどんな旋律でも構わない」と各々を厳密に区別していましたが、19世紀のイタリアでは、ミサ曲がまるでオペラのように華やかな雰囲気を持ち、独唱も二重唱も、アリアのような美しい旋律で書かれたものが多く、あまり厳格な区別はなされていませんでした。これら「ベルカントの教会音楽」は19世紀に南ドイツで起こった""セシリア運動=教会音楽を堕落から救い、グレゴリオ聖歌もしくはパレストリーナの音楽に立ち返ろう""により排斥されながらも、イタリアの作曲家たちは美しい宗教曲を作り続けていました。オペラ作曲家として知られるドニゼッティ(1797-1848)も、学生時代から数多くの宗教曲を書き、時には小品を組み立てて大きなミサにすることもあり、それらを全て合わせると150曲以上が数えられます。この「グローリア・ミサとクレド」は1837年11月にナポリで初演された作品ですが、その後、自身で曲を組み替えたり、彼の師マイール(1763-1845)がその中の曲を自作に組み込んだりと、原曲は様々な形で素材として使われ、現在に至っています。これらを研究者フランツ・ハウクが当時の状況を熟考し、復元して演奏しました。単なる研究結果を超えた普遍的な美しさが宿るミサ曲です。
ジモン・マイール合唱団/バイエルン国立歌劇場合唱団/コンチェルト・デ・バッスス/ハウク
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